『普通』

上条忍婭

第1話

私は小さい時からずっと親に「普通に生きてくれればそれでいい。」と言われて生きてきた。

私が4歳の時、私は野良猫の手を切断した。

私はそれが悪いことだとは知らずに母と父に見せに行った。母や父に喜んでもらえる、そう思った。しかし、母と父は私に恐怖を感じた目をして言った。「優ちゃん、どうしたの?」と。私は「お母さんとお父さんに見せたかったの、私すごいでしょ?」と言った。しかし両親は喜ぶどころか私を怒った。「普通に考えて可哀想だと思わないの」と。『可哀想』私はそんなこと1ミリも思えなかった。だって、こんなに綺麗に切ってあげたんだから、、。

それから私はどうにか親の喜ぶことをしようと、楽しいことをしようと思い、様々なことをした。しかし一向に両親は喜ばなかった。

「優ちゃんなんでこんなことするの?」「可哀想でしょ」「普通にして」「普通に考えて」それから両親は私になにか期待もせず、「普通に生きてくれればそれでいい」そういい続けて私を育てた。

それから日が経ち私は中学生になった。

友達と呼ばれる人もでき、周りから見たら何も悩み事のない普通の中学生になった。

しかし私の心はいつになっても満たされなかった。普通の人が欲しいものは全て持っている、優しい両親、大きな家、お金、友達、そして彼氏も。なのになぜこんなにも満たされないのか、そう思いながら下校していた時、私の前に猫を捕まえようとして転んだ女の子が現れた。私はその子の元に迷わず近ずき、首を絞めた。そしてその子の息の根は止まった。そこに大きなトラックが現れ、私はその子を運転手にバレないように急いでトラックの前に突き飛ばした。幸い周りには誰もいなくて、女の子の死は事故となった。私はその時、やっと本当の笑顔になれた。私がずっと求めてきたもの、それを感じた。あの瞬間、私の心は一瞬満たされた。それからというもの私はいつも人を殺すことを考えていた。

またあんなチャンスが来たら、殺したい。

もっともっと人を痛めつけて殺したい。

しかしその時はなかなか来なかった。私は生きてくのが辛くなってしまった。こんなことなら自分を殺せばいい。いつでも殺せる人、それは自分ではないかと思いついた。そして私は通学路の階段を転げ落ち、ふらふらとしながら車の前に飛び出した。視界がだんだんぼんやりした。これで私を殺せる。私は嬉しくて嬉しくて自然と口角が上がったのがわかった。


気づくと、そこには両親がいた。私は寝ているようだった。もしかして今のは夢だったのかそう思いながら聞いた。ここはどこ、と。

そしたら両親は私が目を覚ましたことを喜びながら「病院よ。あなた車に引かれて救急車で運ばれたのよ。」と言った。私は死ねなかった。そう思いながら「私助かったんだ。」と言った。医師の診断では頭をぶつけたが異常はないどのことだった。『異常はない』その言葉が信用できなかったら。異常がないのになぜ自分から車の前飛び出すのか、何かを苦しめたくなるのか分からなかったからだ。念の為、脳部の写真を貰い家に帰った。

2日後、家庭教師の先生が家に来た。親には黙っているが彼は俗に言う彼氏ってやつだ。

「事故の日休んでしまったことを謝り、部屋で英語を教えて貰った。」少し時間がたった時、

私は先生に脳部の写真を渡し聞いた。「本当に私は正常な脳なのでしょうか」と。すると先生は「写真を貸してもらえるかな?家で調べてみる」と言った。一応彼は脳外科の大学生だ。少し怖いところもあったが彼に任せることにした。

そして5日後、先生が来る日になった。先生は真剣な話をする眼差しを私に送り言った。

「君がくれたこの写真は本当はもっと大きな病院へ行って確かめてもらった方がいいが、反社会性パーソナリティ障害いわゆるサイコパスと呼ばれる人達の脳に似ているんだ。」私は今まで悩んでたものが全て結ばれ納得できた。「私それです!いつもいつもどうしても酷いことをしたくなるんです。普通の人はそれをしてもよろこばないのに。どうしても私は楽しくて、してしまうんです。」

「とりあえずご両親に相談しよ」と先生は言った。「絶対嫌です!あの人たちは私のこと受け止めようとはしないから、、。」

それからというもの自分が普通ではないと認めて、私はどうしたら普通になれるのかを考えて実践し始めていました。親はそれを見て安心していたような気がします。普通に生きてる振りをしていたあの夏、私は学校帰りにいじめられている同級生を見つけた。普通の人は助けるだろうと思い、私は彼にて差しのべた。彼は驚きながら私の手を握った。そしていじめっ子達から離れて共に歩き出した。

少し歩き私は彼の手を離した。「それじゃ、私はこれで」彼は「なんで助けてくれたんですか?」と聞いてきた。「普通のことじゃないですか?」そう言って私は再び歩き出した。

それから約1ヶ月後大きな台風が接近するため母が父に傘を私に行った。私はなぜかその日また人を殺したいという気持ちに襲われた、、、。

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『普通』 上条忍婭 @IKAMUSUME

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