願いを映す、その翼

広大な空を舞台に描かれる、決して幸せばかりではない世界観。

作者様の自然な主人公視点の交替は素晴らしいと思います。
そして少ない状況説明の文章でありながら、それらを補足できるような
登場人物の台詞と心情描写。
読者の想像力も必要ですが、私には十分に足りました。

『願い竜』というドラゴンとはまた違った存在についても、
彼らが死に近いから不吉である以外は謎に包まれていて不思議です。
人との直接的な関わりは無い。
彼らもただ、生きる為に活動しているだけ。
しかし人と竜との関係を一方通行にしないのが『願い』であり、
この物語で重要視する点の一つだと思います。

これから読むぞ!って方には是非とも、移り替わる登場人物たちが
抱いている『願い』とその『結末』に着目して頂きたいです。

最後に。小鳥ちゃんのツワモノ感が凄い(笑)