第2話 砂上で海を撃つ

柔らかな僕らを狙撃するような情報銃のポインターは

自ら被弾しにゆく僕らに恐れをなして逃げて行ったんだ


少し狙いを外して放たれたゴシップは

学級崩壊寸前の教師のようなヒステリー


稚児のいたずら心で手にした情報銃

使い方が分からず散弾銃となり

自意識過剰なターゲットに無事命中


放った弾よりも作りだ出した多くの被害者は

瞬く間に波になって押し寄せた


見よ これが海の姿だ



引き潮に乗って帰った被害者たちは

次はどこの海岸へ押し寄せるのだろう


残された情報銃を握った僕らは

砂上で銃を構えた

また海を見るために

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羊の詩 ヒツジノ @hituzino

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