羊の詩

ヒツジノ

第1話 知恵の実を食べた人間にご褒美を

200年前に持っていた「貧しさ」という宝物を失って。

100年前に見つけた黄金法則によってそれは加速して。

50年前には「神様」なんかもぽろぽろと腕から零れていった。

25年前に「お金」にもあんまり価値がなくなって。

10年ほど前に僕が生まれた。


3年前くらいからみんなが「面白さ」の価値に気付いて。

2年前からそれを競い合った。

1年前には「さもしさ」がガス状になって汚染を始めて。

半年前にはそこに「豊かさ」はないって霧が晴れた。


3か月前に「愛」を知って。

2か月前に「目」を潰して。

1か月前から「手」を動かしてリハビリを始めた。


今朝起きた時に書こうと思って。

50キロ自転車をこいで確信に変わって。

2時間前くらいから書き始めた「書く」っていう面白さは。

きっと1000年経っても変わらない面白さを世界にばらまき続けると思うんだ。

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