監獄・狼(かんごく・ウルフ)

作者 長野文三郎

500

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★★★ Excellent!!!

この物語は、毒舌だけど憎めない妖精のキンバリー、武士のように己を律して生真面目だけど健気な元勇者のフユさん、現実は淡々と受け入れるけれどもお人好しであったかい心を見せる主人公のバートンなど出てくるキャラクター達が素晴らしいです!
特にバートンが飾ったアキノキリンソウを見てむせび泣くフユさんのシーンなど思わず涙ぐんでしまうぐらい物語に没入させられてしまいました。
それと、ジャガー警部とか新しいスクロールを登場させることで巧みにストーリーを展開させるストーリー力が優れている所や、色々な複線?があって今後の展開も色々想像できる所も楽しいです。(例えばケッチの暗黒街のおかまのライバル出現とか、ホビットの好きなレムラ茸に実はこんな副作用があったとか、ケイシーが元カレに手酷く振られてやけになっていたけど実は元カレが、、、とか色々妄想が滾ります)
一話一話話を考えるのが大変でしょうけど、今後の展開やどうやって脱獄?させていくのかと、名探偵キンバリーの活躍を楽しみにしていますね!

★★★ Excellent!!!

 貴族の庶子に生まれた主人公が、実家の没落によって求めた就職先は監獄だった! という出だしから「おっ」と思わされるのですが、さらに、なぜかそこには魔王を倒した勇者様(♀)が囚われていて……と来て、導入部からして興味をそそられました。
 そして読んでみると、いかにもライトな文体(不思議なのですが、ところどころルビが設定されていないのはなぜでしょう……)と、よく見る感じの西洋風ファンタジー世界ながら、細かいところまでちゃんと作り込まれている。

 ファンタジー世界の監獄といえば、脱出不可能の絶望の地! みたいな大仰な所が多い気がしますが、本作は一国の都市に存在し、下っ端役人たちが働く普通の監獄。と言っても、現代日本のそれからすれば実に劣悪な環境。その環境が、劣悪すぎないところと、異世界だなあというロクでもなさとがそれぞれあって、「ファンタジー世界の監獄での日常」がとても地に足のついた描写になっています。

 こいつは見かけ以上によく出来ているぞ! とすっかり寛いだ気分で進んでいくと、囚人たちの事情などミステリー要素も出てきて、これは「脱獄」タグのように、やがて勇者と逃避行などもあるのか? とますます先が気になる!

 最新話:とあるパン屋の災難 5-10まで読んだのですが、かなり良いところで一ヶ月止まっており、もう続きが待ち遠しい!

 更新を願って、レビューさせていただきました。

★★★ Excellent!!!

異世界ファンタジーでは様々な職業が出てくるが、本作の主人公はその中でもかなり珍しい職業、なんと刑務所の看守に就いている。

元々は有力な貴族の庶子として生まれたバートン・ウルフ。だが、ある時父が政争に敗れ一家まとめて全員死刑に。唯一母方の姓を名乗っていた彼だけは見逃されるも、仕事も住むところもない。そんな中、伝手を使って見つけて看守となったのだ。

舞台となる監獄は、賄賂や女囚へのセクハラが当たり前という色んな意味でブラックな職場だが、彼には普通の仕事以外にももう一つの任務が与えられている。それはある事情でこの刑務所に入っている元勇者フユ・サガラの身の回りの世話!

没落貴族の青年と元勇者の少女の監獄でのボーイ・ミーツ・ガールという非常に風変りな本作品。二人の交流がメインではあるが、その一方で囚人から持ちかけられた様々な頼みの裏に事件の影を見つけ出したり、なぜフユは監獄に入っているのか、などのミステリー的な側面も備わっており、非常にエンタメ性が高い内容に仕上がっている。

(「もしかしてブラック!? お仕事が大変に思える作品」4選/文=柿崎 憲)