黄金の太陽

姫亜樹(きあき)

黄金の太陽

太陽に向かって

微笑みを放つ

花のような君が

ぼくは好きだった


ずっと

隣で見守っていたかった

夢を

一つ一つ

叶えていく

君の奇跡を見ていたかったのに


ある日君は

ぼくの前から消えた


同じ星の上に住む

見知らぬ人間の

エゴによって

君のまばゆい輝きも

倖せを振りまく真っ白な綿毛も

むしりとられてしまった


ぼくは途方に暮れて

ただ泣くばかり

「どうして君が?」

「他の誰かじゃなく?」

「何のために君を?」

「何の・・・ために・・・」


夢がにじ

君の夢が・・・・・・・



今日

君の好きだった野原へ

出かけたんだ

一面に広がる

たんぽぽの綿毛が

一斉に風に吹かれて

まるで

大地から登る

魂の光のように

天に舞ったんだ


おかしいだろ?


その時ぼくは

君の笑い声を聞いたような

気がしたんだ


おかしいだろ?


君が笑っていたんだ

たんぽぽのように

笑っていたんだ・・・・・

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黄金の太陽 姫亜樹(きあき) @Bungo-2432Da

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