厳しい世界も嫌な思い出もなんのその。まったりスローライフ異世界転移

※624話まで読んだ感想

この時点で130万字(厚めのラノベ13冊ぶんくらい)あるので読み切って最新話追いつくのに二年くらいかかった。(他の小説読んだりしてたのもあるけど)

楽しかったんだけど感想が難しいな。主人公のジーンには転移前の育った環境が最悪という薄暗い過去があって、その因縁が転移後も(遠くからうっすら、ここまで一切かかわらないとはいえ)ついて回るというのが流行りの異世界ものの中でも珍しい構成かも。(転生に比べて元の世界の因縁を持ち込みやすい転移ものでも、こういう構成はやや珍しいと思う)

ガンガン盛り上げたりチート駆使して成り上がるような話ではなく、ひっそり好きな人達好きなものを愛でて人材、物質、食べ物などの財産を貯蓄していって豊かに暮らすって感じのお話なので、地味といえば地味。こういうお話は大好きだけど、あまり話題にはならず、個人的にとても好きにとどまりがちなタイプのように思うので、こういう話がランキング1位に留まっているのは面白いし、カクヨムはそこら辺ちょっとよそと雰囲気が違う感じの小説投稿サイトだなと思う。

いい加減最新話に追いつきたくてここ数ヶ月くらいガンガン読み進めていたけど、あまりガツガツ読む感じではなく、まったり読んで行って、こことここが繋がるのか!って感心したり、闇深ジーンの心が癒されて行ったりする心情の変化をじっくり楽しむ感じの話かな。笑いも感動も爆発的ではなく、ちょくちょく草生えたりじんわり沁みるようか感じですね。

個人的に、地や海から塵芥まで、何にでも精霊がついている世界観がweb小説、なろう系異世界系というよりメルヘンファンタジーっぽさがあってとても気に入ってます。そこに(ジーンのゆるいチートっぷりであまり感じさせないが)背景として結構過酷な世界観や様々なリアルマメ知識もも加わって、作者独自のファンタジーに繋がっている感じ。


シリアスのターンになると若干苦手なのか敢えてやってるのか、真面目に読んでてもよくわからない時はあったりするけど、まったりスローライフ異世界ものが好きなら味わい深くて楽しいファンタジー作品だと思います。

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