非日常な光景を目の前にしているのに「ぼく」の語り口調が妙に淡々としていてどこかコミカルなところがツボでした。「猫」がキーワードの一つになっているところも見逃せません。ラストはなるほど「ぼく」らしいラストだと感じました。とても面白い作品です。
独特な雰囲気のブラックユーモア。主人公のとぼけ具合が絶妙で、その緩さが本作の魅力。3行に1回の割合でくすっとくるので満足度も高い。
少し変わり者のぼくの、達観した目線と軽妙な語り、気の持ちように気付いてからの穏やかで楽しげに移ろう雰囲気が好きでした。もしベスト5に出会っていたら、きっとなにかにつけて回避していたのかなぁ、とも思わせるような若い空気感が良かったです。