熔ける星~真夏の白昼無人街~
姫亜樹(きあき)
熔ける星~真夏の白昼無人街~
真夏の炎天下の中
居場所を求めて
ぼくは彷徨い歩く
アスファルトからは
誰もいない道を彷徨い歩く
じりじりと焼け付く太陽が
ぼくを熔かす
一台の車が
窓を閉め切って涼しい顔で
排気ガスを撒き散らかして
通り過ぎていく
蝉が一斉に泣きはじめ
いよいよ太陽が
ぼくの真上にやってくる
日陰を求めてぼくは
白く光る団地内へ入る
窓を閉め切った部屋から
昼のテレビの笑い声が聞こえる
室外機から出る熱風が
ますます、ぼくを熔かしていく
行き場もなく
彷徨って彷徨って
ぼくは熔けていく
秋がやってくるまで・・・
熔ける星~真夏の白昼無人街~ 姫亜樹(きあき) @Bungo-2432Da
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