見えてるものが必ずしも真実とは限らない

とめちり

第1話 仮想現実

近年、映像技術が目覚ましく発展し、あたかもまさに今、目の前に存在しているかのように、息遣いまで聞こえてきそうなリアルさに、特にアイドル業界やAV業界からも、更なる技術革新に期待を寄せていた。


世間では動画投稿サイトから、幾人もの人気タレントを輩出していた。広告収入を得るために戦々恐々と面白いネタを探しては日々追われるように、動画サイトに投稿している者や、少しの小遣い稼ぎとばかりに、二足の草鞋を履きながら副業として投稿をする者と、様々な様相を呈していた。


そして小さい頃からタブレット端末や、スマートフォンの操作に慣れ親しんでいる子供のテレビに変わる娯楽の一つとして定着をしていた。


将来なりたい職業の中でも毎回ランキング上位にあがり、早くから人気タレントのマネをするようになり、学校の教師も少し頭を抱えるような事態も起こっているようだ。


そういったリアルな人間とは他所に、仮想空間で、いわゆるアバターを使って活躍するデジタルヒューマナイザーなる者が現れ始めた。それは顔出しをしなくてもいい為、容姿に自信のない者、プライバシーの保護の面からも、初心者には入りやすく、あっという間にその人口を増やしていった。

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