自主企画の参考例から来たので、いきなり第44話を読んでいます。
私事で恐縮ですが、雑司ヶ谷というのは、大学入学前までの約二十年を過ごした近所だったので、いきなり懐かしく感じました。「もしかしたら……」と検索してみたら、法明寺も実在のお寺なのですね!
子供の頃、目白通りから鬼子母神を経て、奥にあるお寺の横(敷地内っぽいところ)を通って、歩いて池袋まで遊びに行く……。そんな機会が頻繁にあったのですが、地図と写真で見ると、どうやらそのお寺こそ法明寺だったみたいです。子供心にも門と階段が印象的な寺だったので、冒頭の描写も、映像が目に浮かぶくらいに印象的でした。
そんな私のノスタルジーを別にしても、猫という動物を活かした表現が、うまい味を引き出しているとも感じました。
そして読み進めて、これが忍者のバトルものだと理解して……。なるほど、だから舞台が『法明寺の山門』なのですね! 時代劇のクライマックス場面のような映像美を感じます。
いざ二人が話し出したら地の文を少なくしているのも、「端折っている」というより「テンポ感を出すために控えめにしている」というように感じられました。とても臨場感があると思いました。
バトル後の悲しみを表現するのに『慟哭は止むことを知らず、月明かりを受けた新緑の木々が悲し気に葉を揺らす』という詩的な一文を挟んだり、『石畳に横たえた薫の傍でいつまでも泣き止まない翔を、植え込みから見ていた猫が足元にやってきて、慰めるように体を寄せた』という形で冒頭の猫を再登場させたりするのも、心憎い演出ですね。
作者からの返信
自主企画に参加してくださってありがとうございます。
丁寧な感想をいただいて大変恐縮しています。
実は私もあの辺に住んでた事があるので、もしかしたらご近所さんだったのかもしれませんね。
あの辺は野良猫が多くていつも和ませて貰ってたので、物語にも登場してもらいました。
自主企画から来ました。
この話から読んでおりますが、切なさと美しさが同居したようなそんな感覚に浸らせていただきました。
ありがとうございました。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございました。
企画しておいて言うのもなんですが、前後関係すっ飛ばして1話だけ読むというのもなかなか難しいものがありますよね。笑