金☆ホシっ子 フィナーレ!

「バスコ・ダ・ガマと草刈り鎌ってどっちが美味しくご飯炊けると思う?」

「“かま”違いも甚だしいよ。」

「強いて言うなら?」

「答えなきゃダメか?」

「ご飯ろん……あ、間違えた。もちろん!」

「間違えるか! んー、道具として使わなくてもいいの?」

「構いません。」

「ん~。」

「“かま”いません。」

「黙れ。こっちは今、お前のくだらん質問に対してのアンサーを考えてんだよ。」

「アンサー……あのさぁ

「ちょっと、かけてきてんじゃねぇよ。」

「……。」

「なんも、言う事ねぇのかよ!」

「まぁ、とっさに『あのさぁ』が言いたくなっただけだしね。」

「バスコ・ダ・ガマかなぁ、やっぱり。」

「自分は思わないんだけど周りにバスコ・ダ・ガマに似てるってよく言われたり

「しねぇよ!」

「こないだ難破した時も気が付いたら意識無くてインドに到達してたしな

「バスコ・ダ・ガマ無能すぎんだろ! 船員がすげぇだけだよ!」

「ちなみに彼女もカテリナ・デ・アタイデに似てる(聞いてない)」

「ほんとに聞いてねぇよ! 誰だよ、カテ何ちゃらって人!」

「カテリナ・デ・アタイデ? バスコ・ダ・ガマの妻だよ?」

「なんで、んなこと知ってんだよ!」

「予想。」

「嘘つけ! ピンポイントすぎんだろ!」

「ま、wakiっただけなんだけどね。」

「つづり間違ってるよ! なんだその、フェチが使いそうな卑猥な単語は!」

「卑猥に聞こえる、貴方の心が卑猥です。」

「卑猥な心ってなんだよ!」

「今ふと思いついたんだけどさ、『卑猥に罪はありません』って言葉と一緒に“性器”の画像載せて、“規制”かかったら面白いのにね。」

「面白かねぇよ。卑猥じゃなくて、そいつ自身に罪があるよ!」

「ムラムラした?」

「しねぇよ!」

「ビラビラした?」

「うるせぇ! てめぇの性器から日本刀ぶっ刺すぞ。」

「あっ……んっ、子宮が……押しつぶされて“イッちゃう~~!”」

「押しつぶされるどころで済むかよ。そんで、マジで“逝かす”ぞ?」

「“生かした”まま“イかして”!」

「“活き”がいいなぁ。」

「“息”してる限りはね。」

「“って”“遺棄”してやる。」

「お、“粋”な“意気”込みだねぇ。“ヤり逃げ”?」

「犯す方じゃねぇよ! もう何でもいいよ!」

「あれ、“やり投げ”?」

「“投げやり”だよ!」

「でも、露那つゆなは日本刀しか持ってないから、投げ刀じゃない?」

「そういういみじゃねぇんだよ! てか、まず、日本刀も持ってねぇよ!」

「そんなっ! ずっと、私に噓ついてたの?!」

「ついてねぇよ!」

「まさかっ……! さっきの“投げたやり”って嘘を突くためのものだったの?!」

「槍じゃ、噓はつけねぇよ! 嘘をつくのは心だよ!」

「その心を突く!」

「無理“矢理”かよ。」

「“無理”でも、“矢”で露那の心を“射貫いぬ”く!」

「もう、意味が変わってくるよ。」

「よしっ! 恋のキューピット命中!」

「かすってもねぇよ。」

「私の奴隷になりなさぁ~い。」

「急に何だよ。」

「ピシンッ! あ、これ、“むち”の音ね。」

「説明いらねぇよ。ノらねぇし。」

「そこにひざまずきなさぁ~い、私の“犬”!」

「ちょっと待て! 誰が犬だ!」

「え、露那は犬の役だよ?」

「聞いてねぇよ!」

「はぁ~、全く“無知”ね~……。」

「“無恥”はお前だ!」

「いちぬけぴ!」

「あたしが一抜けだよ。てか、また懐かしい言葉を。」

「この言葉って、今のクソガキ共も使うのかなぁ?」

「口悪ぃな、おい。ん~、でも、まぁ、今の小学生も使ってんじゃない?」

「そういえばさ、某SNSのハッシュタグの『今の小学生は知らない』みたいな奴、嫌いなんだよねぇ。まぁ、具体的に言うと、『懐かし~』って思う奴はいいけどさ、『DS』とかみんな知ってんじゃん? 3DSあるし。」

「急にてき増やす発言するな。」

「お父さんと、お母さんと、妹と、弟と、お姉ちゃんと、お兄ちゃんと、おじいちゃんと、おばあちゃんと……あと、誰でしたっけ? あ、隣町のジェイソンですか。

「誰に聞いてんだよ、てか、何が始まったんだ。」

「えーっと、まぁ、あのぉ、そんな人たちのかたき~!」

「あたしはてきって言ったんだよ! 急にかたき増やす発言ってなんだよ!」

「あ、あと、とりあえず露那の分も~!」

「勝手にあたしを殺してんじゃねぇよ!」

「え、あ、人違いですか?! え、すいません!」

「とんでもない状況で人違いしてんな!」

「そう、あれは13日の金曜日のことだった。」

「あ、犯人わかっちゃったよ。さっき言ってた隣町のジェイソンだ。確実にそいつだ。」

「あ、犯人、私ですか。」

「お前かよ! 今の敵討ち何だったんだよ!」

「え、マジっすか? あ、まぁ、そこまで言うなら、さーせん。」

「そんな謝罪じゃ、“済まねぇ”重罪なんだよ!」

「あんたが、被害者の娘か……“すまねぇ”。」

「さっきから、謝り方が間違ってんだよ! ……てか、どの被害者の娘だよ!」

「あ、今回死んじゃったお父さんの娘さんですか。」

「……じゃあ、あんたの血縁の姉妹じゃねぇか!」

「え、名前、金星って言うの?! 嘘、マジ?! 私と一緒じゃん!」

「ドッペルゲンガーじゃねぇか!」

「ぅわあ!」

「何?!」

「帰る時間だ!」

「最後のやり取りが、ドッペルゲンガーとはな。」

「あ、そうだ、露那のこと『ゆな』って呼んでいい?」

「遅ぇよ! 今更、呼び方決めてどうすんだよ! てか、お前ら、そんなに最初の『つ』が嫌いか?」

「じゃあね! ゆなっち!」

「もう呼び方変えてんじゃねぇか! てか、あっさりしてんなぁ。」

「あっ!」

「なんだよ?!」

「今日はありがと!」

「思い出したように言うなよ。」

「ぎょへーっ!」

「もう、意味わかんねぇよ。」

「思い出した。」

「なにを?」

「これだけ聞いとかなきゃと思ってたんだ。」

「へー、何?」

「カマンベールと神秘のベールってどっちが攻撃力高いと思う?」

「どっちも、攻撃しねぇよ!」

「ほんじゃらねぇ~!」

「そんなテキトーな別れ際の挨拶あるかよ。」

「ばばばばーい。」

「『ば』が多いよ。はい、ばいばい。」

「ばばばばーい。」

「……。」

「ばばばばーい、ばばばばーい、ばばばばーい、ばばばばーい、ばばばばーい、ばーいばばいばい。」

「結婚式かよ、うぜぇなぁ! その扉開けて、さっさと新婦入場してこい!」

「……ゆなっち、何言ってるの? これは、玄関の扉だよ? 開けても、ただの外だよ?」

「てめぇ、次来たとき、絶対殺すからな。」

「コロンブス?」

「殺す! 誰が、絶対コロンブスからなって言うんだ。」

「……。」

「……なんだ、さっきのバスコ・ダ・ガマと繋がってんのか?」

「ザッツ、ア、グレート!」

「パーフェクトであれよ!」

「ザッツ、ア、グッドアイディア!」

「そう思うなら、パーフェクトにしろ。てか、早く帰れよ!」

「仰げば尊しとか歌っとく?」

「歌わねぇよ! さっさと旅立て!」

「ばね……あ、間違えた。じゃね!」

「間違えるか!」




―金星は去った。……ちょ、今回私、入る隙なかったんだけど―


「知らねぇよ。まず、入ってくんな。」


―またまた~、そんなことを~―


「絡みがウザい。」


―ちょ、冷たくない?! もしかして……死んでる?!―


「殺すな! まず、心が冷たいだけで、身体は冷たくねぇよ。」


―もう、ツッコミのキレがないね―


「疲れてんだよ。」


―良い奴? 悪い奴?―


「……あ、霊に憑かれてるんじゃなくて、あのぉ……今日はもういい?」


―はははっ! 今日はホントに疲れてるね!―


「笑ってんじゃねぇよ。」


―ばね!―


「『じゃね』だろ! ……はぁ。」

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⭐ッ子 翌桧 @asunaro

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