朝九時半に私はサバのサンドイッチを作った

隅田 天美

料理の素人(一般人)が架空の料理を再現してみた実話 その7

 私は高校生時代、部活をしなかった。

 というより、高校に部活がなかった。

 そのため、高校生の時にのめりこんだのは時代劇小説だったりする。


 ある日、こんな書き込みを頂いた。

『ホットドッグじゃないけど僕は焼きサバを挟んで食べたことはあります。実際にトルコにある料理だと「君と漕ぐ」という小説に書いてありました。味は美味しかったです』(『夕方六時に私はホットドックを作った』 もりくぼの小隊様より)

 実は私もトルコ料理でサバサンドがある事は知っていたが作る気はしなかった。

(『まいにちトースト』たかはしみき 著)

 でも、興味を持った。


 まず、「君と漕ぐ」を買って読んだ。

 驚いたのが作品の舞台が埼玉県秩父市長瀞町になっていたこと。

 私の母の実家がある。

 母の言葉だと「あー、ねぇ。長瀞は特撮のロケ地と書き石(蝋石)がとれることぐらい」しか、名産品はない。

 私自身、長瀞には何度も祖父母(すでに他界しているが)に会うため行っているが今まで急流下りとか体験したことはない。

 川を埋め尽くす鯉のぼりは生前の祖父がラーメン屋でラーメンを食べるついでに何度か見た。

(ちなみに、祖父母の家は奥秩父で近年は「紫陽花寺」でちょっと有名らしい)

 サバサンドも出た。

 そして、何より思ったのは「若いって素晴らしい」であった。


 さて、サバサンドである。

 作中何度が出るが、最初に困ったのが「サバの調達と調理」であった。

『困ったなぁ』と思って所用でコンビニに入ったら『サバの塩焼き』があっさり売ってあった。

 サイズもちょうどいいし、食パンも後ろの棚にある。

 これほど食材調達が早かったのはこのシリーズ(なのか?)始まって以来でないだろうか?


 家に帰り早速作る。

 まずは『サバの塩焼き』をレンジに入れる。

 玉ねぎとレモンもいれるが私は生玉ねぎが苦手なうえにレモンも嫌いなので今回は入れない。(はい、再現度が低いですよ)

 サニーレタスは先日の小旅行で畑から直に取ったものがある。

 それをよく洗い、水につけ、再びよく洗い水気をふく。(外訪楠様のアドバイス)

 これとレンジで温まったサバの塩焼きを乗せ、パンでサンドする。

 食べた感想。

「これ、酒のアテではないのだろうか?」


 私は酒は飲めないが酒のつまみが大好物なのだ。

(一番好きなのは干鮭。「とば」と読む。鮭のビーフジャーキー。日本酒の肴にいいらしい。なお、私は半身のままで皮付きでソフトタイプが好き)

 美味い。

 確かに美味いのだが、私の舌と脳が「これ、確実に酒のアテ」と言っている。

 むろん、「君と漕ぐ」に出てくる女子高校生も健全な若者である。

 酒の味なんて知らないだろう。

 でも、酒を飲める大人なら思うだろう。

「これ、ツマミになる」と。


 子供はやがて大人になる。

「ながとろ高校カヌー部」の面々も卒業し大人になる。

 大人になった彼女たちが何かのきっかけで同窓会をしたときに『サバのサンドイッチ』があったらきっと盛り上がるだろう。

 

 私にそんな友人はいないから、少しだけ彼女たちがうらやましい。

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朝九時半に私はサバのサンドイッチを作った 隅田 天美 @sumida-amami

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