新聞部紅一点のヒロインに与えられたミッション、それは校内で活動する部の部長全員へのインタビューという滅茶苦茶なもの。
しかもミッションと言いつつ、それは部長の無茶ぶり。
だがそれで挫けるヒロインではない。
彼女とて文化祭や新聞部にしっかりと思い入れがあるのだ!
とはいえ文化祭まではあと一週間……どうすれば……
「まずは君の彼氏に連絡を取ることだ」
「そんな生物、この時空に存在しませんけど?」
はてさて、彼女はミッションをクリアできるのか? そして無茶ぶりした部長の真意とは?
どうやら『コード・オリヅル』という作品のキャラのようですが、これ単体でも面白く読めます。
文化祭まで、あと一週間と迫るこの時、新聞部の紅一点であるヒロインに、とんでもない命題が与えられた。
それが……、『校内で活動する部の部長全員へのインタビュー』だった。
そして、驚愕するヒロインに向かって、もうひとりの新聞部員兼部長から、命令が下された。まずは、幼なじみのもとへ行くように……と。
そこでは、幼なじみが、意外と思いのほか結構、活躍……というより暗躍していた。
ヒロインは、与えられた命題をクリアすることができるのか?
その命題を課した新聞部部長の意図……とは?
この、コメディ調の現代ドラマは、長編作品のスピンオフのようである。だからといって、こちらが物足りないということは全くない。
魅力あるキャラたちが、校内を所狭しと駆け巡る。そして、お約束のように、男子たちは役に立たない。
テンポの良い会話も、物語のおもしろさを引き立たせているようだ。ラストも、なかなか良い終わり方だったりする。
あなただって、本編にまで、手を伸ばそうと思うかもしれない……。
新聞部員の女子高生が課せられた無茶なミッションに奮闘する青春コメディ。
同じ作者の作品である『コード・オリヅル』の番外編としても楽しめます。
物語の紅一点である主人公、早夜が明るく元気で、物語をどんどん引っ張ってくれます。
彼女を取り囲むクセのある脇役も面白く、『コード・オリヅル』のメインキャラである「猟犬コンビ」が別の目線から語られるのも新鮮です。
テンポのよい軽快な語り口と、ボキャブラリーを駆使した鋭いツッコミ。いきいきと絵が浮かんでくるようで、4話すべてが読むエンターテイメントです。
さまざまな部活や部長に出会うことで人の知られざる一面を垣間見ること、そしてずっと不明だったこのミッションの意味が分かると、こういう高校生活はいいな、と爽やかな気持ちにしてくれます。
笑いながら読み終わったあといつの間にか元気をもらっている、そんな読後感のストーリーです。
タイトルからして興味をそそりますが、中身の方も楽しさみっちりです。
新聞部の一年生が部長に命じられた無茶なミッションとは!
という導入からノンストップで物語が展開していきます。
そして彼女の物語の脇役として登場するのが、作者さんのもう一つの作品『コード・オリヅル』に登場する面々。
コード・オリヅルを読んでなくとも、その生き生きしたキャラクター造形であっという間に作品世界へと入り込めます。
入り込めますが、やっぱりね、長編の方を読んでいると楽しさが倍増するんですよ。だからこれをきっかけにぜひ、コード・オリヅルも読んで欲しい。
アクションエンターテイメント全開の、それはそれは面白い物語です。
とにかくコメディーあふれる作者の語り口が何と言っても魅力的。
ぜひ読んでみてください!