長宗我部元親、松永久秀、伊達政宗。
いずれも最終的な勝者にはなれなかった戦国武将を描く名作短編集です。

特に第一話の「流星」は、戦国好きにはぜひとも読んでもらいたい作品でした。
すごくいい。

有名どころの武将たちの「美」を求める連作です。
「美」は、容貌の他にも生き様や、心意気などもありそれぞれの武将たちが何に美しさを見出したのか、描かれています。

戦だけではない、戦国武将の魅力を楽しめます。

今は暗い闇の中に沈んでしまった、その一瞬に光を当てて、見せて貰っているような作品です。

正史にも残っている微かな手がかりを元にしている、事実かもしれない物語。
本当にそうだったのかもしれません。

勿論、違うかもしれません。

それを決めるのは、読んだ貴方です。

確かめに来てください。

戦国、そして惹かれるタイトル……。
みた事のない、けれども語り継がれる古の夜へ想いを馳せます。
あらすじに書かれた『あったかもしれない、あったらいいな』に、とても納得。

私事で恐縮ですが……武将ブームの頃に“長宗我部元親”にハマっていました。

――皆さん。まず、第1話。読んで。感涙。――

晩年の元親だ～！　嬉しかったです。元親、長身イケメンであったといいますよね……。
男女どちらの読者さんへもオススメさせて頂きたい、泡沫の夜話。散っていった沢山の命が見守るような、星空の下。長い年月を生きて、おだやかとなった元親と秀吉の対話……読み惚れてしまいました。

次話もお待ちしてます。