美しくも残酷な、誰も見たことのない海の底――。

作者によって緻密に創り上げられた世界観。
卓越した語彙力と、海面を跳ねるように軽妙洒脱な文章。
そこから産み出された物語は読み進めるたびに新たな海の姿を紡いでいく。

誰もがその存在を知っている海。
そして、誰もその存在を知りえないIFの未来。

巨魚に全てを奪われた少年がその手に何を掴むのか。

深く息を吸い込んで、共に海の底へと沈んで行こう。
そして怖がらずに、閉じていた目を開いて欲しい。
そこには、君の知らない世界が広がっているから。