とれ☆らん 京都叡山学園高校女子トレイルラン部

みゅーずりー

第1話

開花までは、まだ一週間はかかる。出町柳さなは校門をくぐりソメイヨシノを見上げると、ピンクに染まろうとしていた。

さなが、この春入学した叡山学園高校は、京都の北東、比叡山の麓にある。

「さむっ」

さなは、真新しい制服の襟に、首をうずめた。比叡山の麓は、まだ、肌寒く、今日は、風が強く、フューと風がさなのエンジのスカートを揺らした。

さなは、噴水の横を通り、本館の前に張り出された、クラス割名簿を見上げた。

周りには、中学の同級生同士なのか、 何人も集まり、

「クラス一緒やね」

「よかったー」

「波ちゃんとクラス別やねー。寂しい!休み時間に逢いに行くよー」

とじゃれあっていた。

さなは、1年aクラスからクラス割の名前を見て行くと、cクラスに自分の名前を見つけた。

さなにクラスの名前に、当然、知っている名前はない。

さなは、母の転勤で、京都にやってきて、叡山学園高校に入学した。

母は、あいにく転勤の挨拶で、入学式には遅れてくる予定だった。

さなが、クラス割を確認し、スマホで母にメールで画像を送った。

母から

"cクラスね!わかったー。入学式が始まるまでに行くから)^o^("

とすぐに返信が来た。

さなは、教室に入る前、ゴクリとつばを飲み込んだ。

これからの新しい出会いに、体が硬くなっていたし、肩も重く感じていた。さなは、試合の前に、緊張をほぐすために肩に力を入れると、

「よーし、いっちょやるかー」

と呟いて、教室に入った。



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とれ☆らん 京都叡山学園高校女子トレイルラン部 みゅーずりー @jurek69

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