ドリームガールカッターガール

ちゃむと薫

第4話「夜更けの薔薇の雨のダンス」

ーどんな子に育っても、美しく生きれますようにー



路地裏。

彼女たちはにらみ合いが続いていた。


カナメ「はやくあんたの素顔を見せなさい。」

ユリナ「あなたこそそんな不細工な顔してないでさっさと真の姿をみせなさい。ペテン師。」

カナメ「なんですって?!」

ユリナ「そのまんまの意味よ。ふざけてないではっ!!!!」

カナメ「うわぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」


ユリナにカナメが飛びかかった。


それは恐ろしくも美しい、ウサギと獣人のハーフだ。

目は赤く光り、かわいらしさよりも強さの方が際立っていた。


ユリナ「ぐにやぁぁぁぁぁあ“ん!!!!!」

喉元を噛まれたユリナが情けなく叫ぶ。

しかし


ユリナ「シャーッ!」

ざくんっ。


ユリナのひっかきの一撃が決まった。


ユリナ「柔い肌ね。あんたも大したことないみたい。」

ユリナも猫と人間の獣人となり、激しく交戦は続いた。




そんな様子を2つの瞳が覗いていた。

アヤメだ。

彼女も狼と人間のハーフであった。


アヤメ「バカな女どもだ。戦いはなにも生まない。」


私たちの体に刻まれた意味。それを理解していない。そういいたげな目で下を煽るように見ていた。



ゼェゼェ。ハァハァ。

2人の吐息が交ざる。互いににらみあったまま傷がついた目でお互いを見ていた。


まだ夜が明けるには早いようだ。

両者はまた、交戦を再開した。

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