あとがき


私は猫が嫌いだった。何故なら猫は気紛れで飼い主よりも優位に立っている節があるからだ。猫嫌いだと言うと猫好きな人に怒られかねないが、犬派なのだ。餌をやっても猫達は全くこちらに媚びないので、私としては全く持って不服なのだ。いや、姿形のみならば可愛いと思う。猫に抱く心情というのは、こちらの期待値と向こうの思わせぶりな素振りとの差のせいではないだろうか。しかしこれは退屈な分析ではある。

そんなこんなで捻くれた精神から嫌いな猫の小説を書いてみようと思った。それがこの作品を書くきっかけである。

猫の物語を書くに当たって、猫の作品に触れようと思い私はT・Sエリオット作のキャッツを手にとって拝読した。すると、猫が人間のようにそれぞれ個性的な表情を見せている様子が面白くて引き込まれた。

嫌いなものは、好きの裏返しだという話はよく聞く。猫を観察をしていくうちに彼らの自由気ままさが段々と嫌いではなくなっていった。

安易に猫を飼う事はおすすめしないが、猫のいる生活は確かに自分の人生の豊かさの一つとなってくれる事のように思う。その点、注意しなければならないのは人間と同等か、もしくは猫の方が優位だと思う位の尺度で飼う覚悟をする事だ。彼らは単なる愛玩動物ではないのだから。



この作品を応援して下さった方には感謝致します。私の怠惰、精神薄弱の性質から温かいお声を頂いた時にはとても大きな力になりました。体調を心配して下さる方もいらっしゃいました。こんな御時世で自分の方が大変な時に、私の事を心配して下さるのは当たり前の事ではございません。本当に心から感謝致します。そしてこの物語をもしも最後まで読んで下さった方がいらっしゃいましたら、深い気持ちを込めてありがとうございます。


また次の作品でお会いしましょう。それまでどうか、皆様もお体を大事に生きて下さいませ。


星崎 夜兎

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

不思議猫のパン 白宮安海 @tdfmt01

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ