2-1.不惑男の秘密

人に言えない秘密を抱えている。

それは・・・

恋愛対象が女だけではなく、男も含まれるということ。


”バイセクシャル”


LGBTQの中の”B”の部分


男と女、どっちが早かったか・・・

それは女


さかのぼること、何十年前・・・

高校1年の夏休み、とある女子高の同い年と付き合いだしたのが最初だ。

初体験の相手も同じ彼女でその年のクリスマスだった。


その時はまだ、男には興味がなかった。


男に興味を持ったのは、高校2年の終わり頃・・・

とあることがきっかけで・・・


通ってた高校は男子校だった。


所属していた吹奏楽部の練習がいつもより遅く終わり、

帰宅しようと近道だった体育館に隣接するプレハブの部室とブロック塀の

僅かな隙間を通り抜けようとしていた時、部室から人の声が聞こえた。

声がした方に目を向けると少し開いた窓から二人の男子の顔が見えた。

それもお互いの顔が近い距離にある。

そっと近づいて覗いてみると、男同士がキスをしていた。


心臓がバクバクした。


ユニフォームからして、バスケット部の二人である。


よく顔を見てみると、一人は加藤という名前で同じ2年で隣のクラス、

顔もよく、背が高く、バスケット部のエース、他校の女子にも人気があり、

校内では有名な人物だ。


もう一人は同じクラスの奴で、顔もよく、背が高く、勉強がよくできる人物だ。

そして、中学の時から友人、佐伯だ。


驚きながらも、興味本位で覗いている。

次の展開が気になっていた。


長いキスの後、

友人の方が、膝まづき、相手のユニフォームのパンツと下に穿いているパンツを

脱がした。


そのあとは・・・

今では定番どおりの行為だが当時は驚きの連続だった。


俺は始終見ていて、時間が過ぎていくのを忘れていた。

そして、不覚にも俺の下半身のある部分は反応してしまった。

無意識のうちに、反応した下半身のある部分に右手が伸びていた。

無我夢中になって、今まで押し殺していた声を出してしまった。

当然、中の二人に気付かれてしまった。

お互い焦ってしまう。


友人が俺のいる窓に向かってくる・・・

慌ててその場をあとにした。


ここから、自分の人生が変わり始めた。

いや、面倒なことの始まりだ。


自宅に戻って、帰りがけに見掛けた出来事を思い出していた。

また下半身が反応してしまった。

あの二人の行為を思い浮かべながら、反応した部分にまた右手が伸びていた。

その後は、

顔を見られたかもしれない根拠のない不安に襲われていた。


翌朝、普段通り学校へ行くと、

あの佐伯が笑顔で「おはよう!」と声を掛けてきた。


佐伯が俺の耳元で小さな声で

「放課後、あの部室に来てくれ。話がある。」

というと、耳元から離れ「じゃあ、よろしく」と笑顔で席に着いた。

そして佐伯は何事もなかったように他の友人たちと話していた。


でも俺は心臓はバクバクしている。

あのとき、顔を見られていたことになる。

でも、なぜ、俺が心臓バクバクしなければいけないのか?

やましいことはしていない・・・とは言い切れないが、でも、俺が原因ではない。

と、思いつつ、落ち着かない中、授業は進んでいく。


放課後、言われた通り、あの部室に入ると、二人が立ってこっちを向いた。

佐伯ともう一人、加藤がそこにいた。


しばし沈黙が続いた。

佐伯が「昨日、俺たちがここでやっていたことを見ていたよね?」と聞いてきた。

俺は「うん、まぁ」と返事をした。

加藤は、うつむいたままだった。

佐伯が「昨日見たこと、黙っててほしい!頼む!」と深々二人とも頭を下げた。


佐伯は中学からの友人だ。

あっちこっちに遊びに行ったり、勉強も教えてもらったりした。

友人というより親友だと思っている。


だから、親友の頼みは断れないと思った俺は・・・

「わかった。誰にも話さない。」

というと、深刻な顔をしていた二人から笑みがこぼれた。


時が経ち、俺は佐伯の家でテレビゲームをして二人で遊んでいた。

ゲームを隣同士でやりながら、

加藤との関係が気になっていた俺は、佐伯に二人の関係について聞いてみた。

「いつから、付き合っているの?」など、男女の関係を聞く感覚で

いくつか質問した。

佐伯は一つ一つの質問に恥ずかしそうにしながら答えてくれた。


質問で

「男同士って気持ちいいの?」


「まぁ、気持ちいいから、やってる訳で・・・」

と、顔を赤らめながら答えた。


「どんなふうに気持ちいいの?」

と、聞いてみた。


「どんなふうにって・・・」

しばし沈黙が続くと、佐伯は、

「試してみる?」

と顔と体を俺に寄せてきた。

そして、佐伯の右手が俺の股間をジーンズ越しで触ってきた。


何を思ったか、俺は首を縦に振り頷いてしまった。


すると佐伯の次への行動は速く感じた。


おもむろに俺の唇と佐伯の唇が重なり合った。

佐伯の舌が俺の口の中に入ってこようとしたが、

それは拒絶した。


同時に色々なことが起きる。

佐伯は俺を押し倒し、左手でシャツの上から胸の辺りを触り始めた。

だが、俺はくすぐったかった。


佐伯の右手は俺のズボンのベルトを外し、ボタンを外し、ファスナーも下す。

穿いているトランクスの中に手を突っ込み、俺のモノを触りだした。


ここまでの流れがあっという間だった。


俺のモノはしっかり反応してしまった。


まぁこの先は、想像にお任せする。


体は正直に反応し、気持ち良かった。

それが俺の男同士の初体験であり、スタートだ。

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不惑男の恋 マーク・カーター @markkarter

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