完全なる自殺スイッチ「続」
それ
第1話 押したら死ぬボタン
ああ …
死にたい…
職場のパワハラ、あの上司…
転職する時間も気力も与える余地無し…
時計をみる。24時。
今、帰ったばかり。
ああ…
俺の人生、これなんだ。
まだ25歳、こんなにも、死にたくて仕方がない。
いや、もっと正確には…
ピンポーーーーン
ん?
なんだ?俺は今死にたいんだ。
誰も俺に関わるな。
「…」
…はは、本当にコイツ(俺)は…
ガチャッ 「はい」
「どーも。」
…なんだ?
この親父は?
不気味だ。
白髪で、顔の影が濃く、雑なファッション。
不気味過ぎるが、汚くは、ないな。
「これあげるよ。」
「え?なんすかコレ?」
「押したら死ぬボタン」
ほんの少しニヤリとしながら言ってきた。
「はあ」
つい受けとる
「ではな」 バタンッ
「…」
帰った。 なんだアレ?
本来メチャメチャ怖い出来事だが、どーでもいい。
「…」
「押したら死ぬボタン…」
そのファンタジーすぎる言葉をなぜか。
すぐ信じてしまった。あっけなく。
あの親父の、普通の人離れした出で立ちに。
あの不気味な雰囲気にどこか人外を感じたから。
「コレを押したら死ぬのか」
「これで」
「いつでも死ねるのか。」
安心した。
もう、逝こうかな…
今なら逝けるぞ。
そうだな。
部屋の片付けと、スマホのデータだけ削除しよう。
よし。
ボタンを靴棚に置きゆっくり動き始める。
ガサッ 7割方入っているゴミ袋を手に持つ。
「…」
「…」
涙が、ポロポロ浮かんできた。
「…」 何も考えられない。
何も考えていないのに、悔しくて、仕方ない。
「…」
「……!…」
「…押したら死ぬボタン…」
「…」
「あの上司に…」
「押させたら…!」
そうだ。俺は死にたいんじゃない。
正確には、
生きたい。
ただ、死んだ方が楽なのだ。
なぜか?
過度なストレス。
その原因こそパワハラ。
「…」
はたして俺は今、
正常なのだろうか。
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