魔術を使う時の媒介は魔導書。そして、氷を使うのではなく、水と風でクーラーの仕組みを作り上げる。それらを魔導機器として創り上げる人々がいる世界です。文章は三人称視点でまとめられていて、読んでいて解らない表現はありません。
導入は主人公が普段と変わらない様子で過ごしている事から始まり、途中で展開が変わります。タイトルにもある錬金術について触れた主人公の夏休みの日課がここから変わり、視点が、そして知識が広がっていく予感に心が躍ります。
主人公が夏休みに出会った人物たちは誰なのか。最後に彼が得たもの、やろうと思ったこととはなんなのか。少年の想像と好奇心を胸に、切ない終わりの展開までこの小説を読んでいただきたいと思いました。