変化をする、その前に

第1話

高校の頃までは、子供っぽかった女子。

でも、２０歳になったあたりから、急激に変化して、

大人っぽくなる。

敢えて言おう

「女は化け物だ」

今、俺の隣には幼馴染の女の子がいる。

高校生になった今も、腐れ縁で一緒にいる事が多いが、

この子も、２０歳になったら劇的に変化するのか・・・

そう思うと、楽しみでもあり、悲しくもなる・・・

「普通、同年代だと、女の子のほうが大人なのよ」

彼女は言う。

確かに、同年代だと、精神年齢は女性の方が上。

通常は・・・

しかし、基本的には女性は、包容力のある男性を好む。

年上を選ぶ女性が多いのは、そのためか・・・

しかしそれも、過去の話になる。

最近は、変化があったのか、あきらめたのか、

いわゆる肉食女子が増えてきた。

彼女たちは、草食男子を好む。

俺としては、楽でいい。

楽でいいのだが・・・

下手をすれば、ヒモになりかねない・・・

俺は、隣にいる女の子を、守ることができるだろうか・・・

まあ、そんな心配はないのだが・・・

「どうしたの？私の顔に、何かついている？」

「いや・・・何も・・・」

「私は、のっぺらぼう？」

悪戯っぽく笑う。

「ねえ、今から、出かけようか？」

「どこへだ？」

「カラオケ・・・気分発散しよう」

「ふたりで？」

「気兼ねする仲じゃないでしょ？」

「ああ」

こうして、彼女に手を握られて、カラオケに向かう。

今は、思春期の女の子らしく、流行りの歌を唄っている。

この曲も、２０歳を過ぎれば、変わるのか？

そんな事より、今はこの時を楽しもう。

先の事は、先に考えよう。

さてと・・・

俺も唄いますか・・・

「何を唄うの？」

「加山雄三の、『君といつまでも』」

「相変わらず、古いね」

「ほっとけ」

いつか気付いてくれるのを信じよう。