第4話

理由



事の始まりは半年前まで遡る。

俺は本屋の帰りに自転車で細い道を通っている時だった。僕はこの街を気に入っている。なぜなら、オシャレで居心地がいいからだ。だから、目的が本だとしても自転車でのサイクリングはとてもいい。

その時もそう思っていた。すると、建物の間から、猫が飛び出してきた。慌ててブレーキをかけて止まると、猫はついてきなと言わんばかりにゆっくり歩き出した。僕はつい楽しくなってしまい、通ったことのない道を通りある一軒の書店の前に来た。


木星書店


そう書いてある。不思議な名前だ。

気がつくと、扉をあけていた。

「いらっしゃい」

「ども」

このそっけない挨拶は初めからだった。

「あの、すみません。この木星書店っていうのは?」思わずに聞いてしまった。

「私の名前ですよ。」

ぶっ 思わずコーヒーを吹いてしまった。

言い忘れていたが俺はカプチーノとチーズケーキを注文した。

俺は早速だが落ち着いた店内を気に入り読書にいそしんだ。人が来る気配はない。ここならかなでと妹に邪魔されずに済む。これからは、ここに来ようと決めた。

お会計を済まし、ごちそうさまと言い残した。

これが今にして思えば、始まりだった。

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風薫る本屋 @kasumigaoka

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