シリーズ一作目を読み終わり、二作目も最後まで読破です!
前作同様に今作も、もちろん『中華モノならではな要素』がてんこ盛り☆
一作目より物語の舞台のスケールも大きくなって、ドキドキわくわくしながら読めました。
本作は、大人の男女の駆け引きが一作目より多く描かれている印象です。
とくに、女の人たちの感情描写が細やか!
少女から熟女まで、どの女性キャラもその年代の女性らしさがしっかりと表現されていると思いました。
本格派の中華ファンタジーだと、男性キャラの言動がクローズアップされがちな気がするので、女性を丁寧に描いた本作は貴重だなって思います。
女性の活躍する中華ファンタジーを今後書いてみたいと思っているので、そういう意味でもとても参考になる作品でした。
本格的な中華ファンタジーを読みたい人におススメですが、中華ファンタジーを書いてみたい人にも本作はおススメです☆
「天界より落ちた少女の髪は真白く、恩寵の衣を纏って、中華大陸をさまよう(慶央篇)」の続編。
新しい地は都、安陽。
英卓は白麗を妹という名目で傍に置き、都で起こる面倒事に巻き込まれながらも、ふたりの絆は深まっていく。
生い立ちに秘密を持った薬種問屋の隠居老人・沈明宥の宮廷を舞台にした仇討を軸とした、新たな物語。
個性豊かな登場人物たちの魅力と、創り込まれた舞台は圧巻。
中華ファンタジー好きにはたまらない作品です。
水面下で行われる駆け引きや、人間模様、恋愛、と、さまざまな運命が交差する、第二部。
果たしてふたりの関係はどうなっていくのか、ぜひとも最後まで読んでみて下さい!
さらなる続編、第三部も気になるところです。
何世代にも及ぶ長い長い中華ファンタジー。
これはもはや、ただのファンタジーでも中華ものでもない。
手練れの書き手が技術と集中力を練り上げて作った
世にも美しい砂上の楼閣です。
長い物語を書いていると、
書き手はすべてのキャラと事象に責任を持たねばなりません。
つじつまの合わぬところは後から直し、
キャラクターにぶれがあれば、削り、追加し。
その結果できあがった砂上楼閣の危うさと美しさは。
読む人を酔わせる
書き手の冷静さと生みの苦しみがあるからです。
物語に酔いたいですか?
ここに、あなたを桃源郷へ引き込む扉があります。
扉を開けぬのは。
一生の、損です。
実に2019年から書きはじまった、この壮大な物語。
作者の筆さばきが匠です。
流れるような文章で、この世界に生きる多くの人々の姿を浮き彫りにしています。
美しい情景描写のなか、それぞれの人生を過ごす登場人物たち。
主人公の一人は言葉も記憶も失う白縫という真っ白い髪の美しい娘。人界のものとは思えない魅力的な人物です。
彼女を取り巻く人物たちの、政変あり、恋ありと、さまざまな人の世の常のなか、天界から落ちてきたと思われる少女は、ただ静かに彷徨います。
もう一人の主人公。男ぽい魅力に満ち溢れた英卓との微妙な関係も興味深い。
架空ではありますが、とてもリアルで壮大な中華風サーガ。
どうぞお楽しみください。