発想のユニークさと、優しい余韻が光る作品

ひらがなたちが本気で喧嘩して、本気で仲直りする――そんな発想がまず素晴らしい!


ユーモアの中に温かさがあって、読んでいるうちに自然と笑顔になれる作品です。


ひらがな一文字一文字に個性が与えられていて、まるで小さな生き物たちが息づいているよう。


特に、調停官の「な」と、五歳の少年・右際との掛け合いがとても愛らしく、読者も一緒に“ひらがな国”の世界に引き込まれます。


単なる言葉遊びではなく、“ことば”そのものへの愛情や、人と人との関係を映す寓話としても秀逸。


子どもはもちろん、大人が読んでも「なるほど」と唸ってしまう深みがあります。

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