発想のユニークさと、優しい余韻が光る作品
- ★★★ Excellent!!!
ひらがなたちが本気で喧嘩して、本気で仲直りする――そんな発想がまず素晴らしい!
ユーモアの中に温かさがあって、読んでいるうちに自然と笑顔になれる作品です。
ひらがな一文字一文字に個性が与えられていて、まるで小さな生き物たちが息づいているよう。
特に、調停官の「な」と、五歳の少年・右際との掛け合いがとても愛らしく、読者も一緒に“ひらがな国”の世界に引き込まれます。
単なる言葉遊びではなく、“ことば”そのものへの愛情や、人と人との関係を映す寓話としても秀逸。
子どもはもちろん、大人が読んでも「なるほど」と唸ってしまう深みがあります。