第4話 白銀の天使


とても、とても永い夢を観ていた。私が主人公で、悲劇のヒロイン。

ヒロインは捕らわれの姫。

私を攫った領主からひどい仕打ちをされる、ヒロイン。

声も出せず、泣く事も忘れ、茫然と日々を過ごすだけの屍のよう。


 そうだ。私はもう死んだんだ。私と云う存在は死んだ。

 ここにいる存在は、ただの息をしているだけの屍。

 白銀の天使が、現れるまでは。

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墨唄 @kirin03

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