第18話

あれから何日か経ち俺たちは秘密基地を建設していた。もうすぐで終わると張り切りながらみんな作業をしているので今日中で終わる見込みだ。事件が解決したことにより街に出かけるといろいろな人からの声を掛けられるようになった。たくさんの食べ物をもらったので今まで以上にごちそうが待っているだろう。とても楽しみで仕方ない。

「後でこの中でくつろげるように家具を買いに行かないか?」

「それいいなー不自由なく住めるようにオイラはしたいぜ」

俺はソファーが欲しくなり連れにラミスを選択した。建設作業の大半を一緒に過ごしていたため俺達には何となくきずなが芽生えたような気がする。町に行くのにもやはりラミスだとこちらも元気が出てらくなのだ。

「お前ら午後から学園に呼ばれてるからな、午後に現地集合で」

俺たちが事件を解決したことで貴族たちからの評価が上がり学園に通えるようになった。しかし早く秘密基地を作りたかった俺たちはフリーのおやじに頼んで学園が終わるちょっと前に登校することを許してもらえた。なんだこの手のひら返しはとグレンは怒っていたがそれでも俺はうれしかった。だってそれはみんなから認められている証拠に思えるから。俺はラミスと行く準備を終わらせ貿易都市に向かう。さっき「遅れたら承知しませんよ」とグレンに忠告されてしまったので怒られないように行動しなければならないな。

「すげーこんなにふわふわなベットオイラ初めて見た」

「でもこれ相当高いんじゃないか」

貿易都市についた俺たちは真っ先に家具屋さんに入り色々な商品を見ていた。かなり高そうな商品が並んでいるがフリーの親父から好きなものかっていいぞと言われているため値段での心配はなさそうだ。さっかくこの店に来たのだから全部見たい俺はラミスを引きずり回しながら店内を歩き回る。ふとあるブランドコーナーに視線が向く。値段は安いがとても個性的で色鮮やかな品物が並ぶ。俺たちは興味がわきその商品たちを見て回る。

「いいなー、緑のベットもあるぜ」

「しかし、この色鮮やかさは貴族が好むものではないがそれでも俺は結構こういうの好きだが」

「だれが作ってんだろーな、滅茶苦茶気になるぜー」

俺たちの興味がこの場にとどまり色々見ているとこの店の店長らしき人がこちらに声をかけてきた。

「この商品ブランドは帝国のピーク家の娘さんが立ち上げたブランドの商品なんですよ」

「かなり庶民的な値段だけど、やはり貴族を狙っているものではないですよね」

「そうですね、あまり色合いも貴族たちが好むものではないですね」

俺は店長の話を聞いてこのブランドがかなり気に入った。貴族の人が庶民をターゲットに商品を出しているなんてすごく斬新で俺はこのブランドに好きを通り越して大好きになった。

「すごくねーか、オイラが欲しいものを買ってもこんなに安いんだぜ」

「たしかに破格的安さだな」

ラミスが欲しいと思った商品三つの値段を足してもさっき見た貴族が使うようなベットの半分以上安い。これからこのブランドを愛用しよう。そう決めてあたりを見渡すとピンク色のソファーがありとりあえずはこの商品を俺は買うことにした。なんかかわいいなと思ったら無性にほしくなった。

「店長さん俺とラミスの合わせて四つの商品を買うよ」

「ドラゴン配達で配達しますね」

「この場所にお願いします」

俺はポケットから秘密基地が示してある地図を取り出す。ドラゴン配達とはこの領が飼育しているドラゴンたちが大きなものを買った場合に運んでくれるシステムだ。ちなみにこの仕組みを持っているのはここだけだ。最初は秘密基地を作りたかったが別に秘密にしなくてもいいかなと思っている自分がいる。

「そろそろ時間だし出るか」

「そうだなー満足な買い物できたしオイラはいい気分だー」

かなり満足した俺たちは気分よく店を出た。後ろから「またのお越しよ」と店長の声が聞こえた。












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英雄の紋章少年伝 テン @tentenz

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