第18話 わたしの世界

夢の果ての地


辿り着くまでの道には

人になりたかったわたしが


必死になって紡いだ 心無き言葉の残骸

訳も分からす被り続けた 笑う形をした仮面

身を守るために構築した 儚い言い訳の群


空虚さを漂わせながら 

野ざらしにされたまま


それでもわたしの大切な一部で

ひとつひとつを優しく撫でながら

お疲れ様でしたと声をかけて

よく頑張ったねと抱き締める


そしてそれらは世界に溶けて

優しい光となってわたしを包み込む


人であろうとしたわたしが

ただのわたしとなった日に


辿り着いた夢の果て

青い空が広がるそこには

新しい世界が待ち受けている


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

わたしと世界 紫夜 @ru-sha

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ