第2話

馬鹿ヂカラと初仕事。


おはようございます!!

本日からお世話になります!

前田大和です!山田一徹です!


はいー。よろしくねぇ。

よーし。じゃあ今日は2人とも…

やまもとぅー今日なんだっけ?


今日は2人は土木作業の現場です。


あぁーそうそう!じゃ、そゆことだから!

2人とも怪我しないよーにね!


じゃあと頼んだよ!やまもとぅ!


はい。じゃあ現場に向かうからキモオタ呼んで車に乗ってて!


はーい!


おーい!キモオタ、現場行くぞー!さっさと着替えて車に乗れー!


拙僧の名前は天馬翔だ!翔と書いてカケルだ!失礼なやつらめ!


キモオタのクセに名前だけは本当カッコいいよな。いいから行くぞキモオタ!


ふと思ったんだけど、なんでキモオタって呼び名が定着してんの?


確かに!もてぃちゃんなら天馬くんとか翔くんとか呼びそうなのにな!やっぱオタクだからか?


フッフッフ!今さら気づいたのか2人とも!

あの真面目なもてぃたん氏が拙僧をキモオタと呼ぶのには深い訳があるのだよ。

気になるだろう?ぐひひ。知りたいかい?


いや、なんかウザいからいいや。


うん。めんどくさそうだから俺もいいや。


オマイら自分から聞いておいて何言っているんだ!聞きたいであろう?

もてぃたん氏が拙僧をキモオタと呼ぶ理由を!

拙僧ともてぃたん氏がお互いを愛称で呼び合うようになったその理由を!!


いや、どーでもいいかな。長くなりそうだし。


うん。どーせ大した理由じゃねぇよ。


こらこらオマイら!諦めるんじゃない!

いいか、まずもてぃたん氏は入社した頃は人見知りでなぁ。拙僧とはもちろんその時いた他の誰にも心を開けなかったのだよ。

そこで拙僧が、、、って聞けぇーーっ!!

拙僧を置いて行くなー!…

まったくあの新人2人ときたら、生意気なやつらだ。

今日の現場仕事で大変な仕事を押し付けてやるなり。



それでは今日はこの現場で、壁を立てる為の土台整備の仕事をします。

あなたたちはここからあそこまで穴掘りして下さい。


え?どこからどこかまでですか?

ここから、あそこまでずーっとです。


あ、1人は交通整理してね!

私はあっちの現場も仕切らなきゃ行けないからキモオタ後はよろしくね!


ほいー。


もてぃちゃん女なのに土木の現場仕切ってるなんてすげぇなぁ。

女の現場監督なんて初めてだぜ!


ふん!もてぃたん氏はあの有名な女子大卒業で資格もたくさんあって現場経験もあるスーパーエリートなのだよ。その辺のヤツらとはデキが違うのだよ!

社長だってもてぃたん氏には頼りっぱなし。

とゆーか…うちの会社はもてぃたん氏で回っているようなものなのだ。


へぇー。そりゃすげぇなぁ。

さすがは我らがもてぃたん!

な、キモオタ!


フン、なにが我らがもてぃたんだ。

君たちと一緒にしてもらっては困るよ。

なにせ拙僧はもてぃたん氏が入社して以来の仲なのだからね。ポッと出の君たちとは親密度が違うのだよ。


ったくいちいち鼻につく野郎だ。

おもくそ無視されてるくせに、なにが親密度が違うだよ。


さてとお喋りはこのくらいにして、おまいらは穴掘り担当だ。拙僧は交通整理をやる。


おいおい、なぁに1人で楽しようとしてやがるこのキモオタが!


そーだ!ふざけんな!キモオタ!チクるぞ!


な、なにを言うか!交通整理はかなり危険な仕事なのだ。

約1トン以上もある鉄の塊がびゅんびゅん走る道路の中、ポツンと立って旗2本で車を誘導するんだぞ。

そんな中、唯一の防具はこのヘルメットだけ。

ひとつ間違えれば命に関わる。

それも誘導する者だけでなく、他の運転手や交通人など何人もの命に関わるのだ。

そんな重大な責任のある仕事を新人の2人に任せられる訳がないだろう。


命…重大な…責任…ゴクリ。


何故かテレビでよく見る謝罪会見を思い浮かべ、怖じ気づく2人。


それに、新人の貴様らにそんな危険な仕事を任せるのは先輩として恥ずべき行為であろう。

拙僧は決して楽をしたいから交通整理をやると言ってる訳ではなく、班長として仕事の配置を決めているのだ!

むしろ1番危険で大変な仕事を自ら請負うと言っているのだ。

我ながら思う。これぞまさに、デキるお・と・こ!


た、確かに…ま、まぁ?キモオタがそこまで言うなら?


やるな!キモオタ!それに、おまえちゃんと俺たちの事を考えてくれてるんだな。


当たり前であろう!

拙僧は頭脳派で、デキる男なのだよ。


へぇ。頭脳派かぁ。

健さんが昔言ってたな。

頭脳派の連中は侮れねぇって。


健さんが?そう言ってたのか?


うん。間違いねぇ。

力を使わなくても、その分頭を使って俺たちの何倍もの仕事をする事もあるとか言ってた。


ほぅ。キモオタやるじゃねぇか。


フッフッフ、まぁそういう事だよ。君たちも見習いたまえ。

ちなみに拙僧の仕事ぶりを見て、もてぃたん氏が拙僧にメロメロになる日は近いのだ。


仕事ぶりって言ったって、ただの旗振りだろ?


そうだな。ただ道に突っ立って旗振ってるだけでメロメロは無理だろ。


うるさい!とにかくおまいらは黙ってスコップ持って穴掘りを進めるのだ!

いいか、サボるなよ!サボってるとすぐに社長に報告するからな!


わあったよー。穴掘りゃいんだろ?

馬鹿でもできるぜ。



ガッガッガッ、ガツガツガツガツ。


おい前田?


なんだよ!


穴はあそこまで掘れと言われたが、これ深さはどの位掘ればいいんだっけ?


はぁ?お前聞いてなかったのかよ?

俺たちはとにかくいいって言われるまでずーっと掘っておけばいいんだよ。


いや、ずーっとってキツくないか?


仕方ないだろう。それが仕事なんだから。


いやいや、おかしいだろ。

ちょっと俺聞いてくるわ。


ダメだ!おまえもうサボる気か?

おまえはそうやってすぐサボろうとするからな。

穴掘りなら普通に考えて俺らの背丈がすっぽり入るくらいは掘るだろうが!

だからとりあえず、それだけ掘ってから聞きに行けばいいだろうが!


んんーまぁ、そういうもんか。



ガッガッガッガツガツガツガツ。



おい前田?


なんだよ!はぁ、はぁ。


これ、深さはいいとして、穴の幅はどれくらいなんだっけ?


はぁ?おまえそんなもん両手を伸ばせるくらい掘っておけば間違いないだろ!


え?もてぃちゃんそんな事言ってたっけ?


忘れたのか?健さんが昔言ってただろ?

穴掘るなら人が通ったり、穴の中で作業ができるように両手を伸ばせるくらいの幅がなきゃダメだって!


あぁ、確かにそんな事言われた事ある気がする。


そんな事よりお前!さっきから土を運んでばっかで楽してないか?

お前はすぐに仕事をサボりやがるからな!


何言ってんだよ馬鹿野郎!土運ぶのだって楽じゃねぇんだよ!

お前が馬鹿みたいな体力で、馬鹿みたいに穴掘るから、俺一人で馬鹿みたいに土を運ばなきゃならねぇんだよ!この馬鹿が!


おい!てめぇ!人に向かって何度も何度も馬鹿馬鹿言ってんじゃねぇぞ!この野郎!

馬鹿も休み休み言えと言う言葉を知らんのかお前は!!


いや…前田…それ、そう言う時に使う言葉じゃないぞ。


何がだ!?馬鹿だってなぁ、立て続けに何度も馬鹿だ馬鹿だと言われたら傷つくんだよ!

だから馬鹿も休み休み言えって言ってんだよ!


お、おう。悪かった…


ふん。わかりゃいいんだよ!とにかく穴掘り続けるぞ。初仕事なんだからサボるなよ!


お、おう。


ガッガッガツガツ

ジャリッジャリッガッガッガツガツ

ジャリッジャリッ


なぁ前田。ハァハァハァ。


何だよ!ハァハァハァハァハァハァ


もうそろそろいいんじゃねぇかな?ハァハァ


ハァハァハァ何言ってんだ!まだだよ!


なんでまだなんだよ?もう両手も伸ばせるし、身長以上の深さになってるぞ。

これでいいか一回聞いて来ようぜ。


何言ってやがる。もてぃちゃんだって忙しいんだから、いちいち手をわずらわせるな!

いいか、考えてみろ。

これは壁の土台の穴なんだ。倒れない壁を作る為には、土台は深い方がいいに決まってるだろうが。

下に埋まってる深さが深ければ深いほど壁は丈夫になるんだよ!だからこの穴だって深ければ深いほどいいんだよ!

まったく、少しは頭を使えよお前は。楽する事ばかり考えやがって。


そういうもんか、、?


そういうもんなんだよ!!


にしても前田。お前は馬鹿だけど相変わらずすさまじい体力だな。途中からほぼ一人でこんなに穴掘って、、疲れないのか?


ふっ、もうバテてきたのか山田よ。

お前に疲れないコツを教えてやろう。


なんだ?そのコツって?


いいか?この穴は壁を作る為に掘っている。

そしてこの穴を掘ってできる壁は、もてぃちゃんを守る為の壁なんだ。


え?そういう壁なの?そのための穴掘りなのこれ?


そうだ!そう自分に言い聞かせるんだ!

そうすれば、疲れなど忘れて、より深く、より丈夫な壁を作りたくなる。

そう考えるとだんだん穴掘りが楽しくなってくるだろう?


なるほど。さすがは馬鹿だ。疲れを完全に忘れてやがる。


いいから、お前は土をどんどん運んでくれ!

俺はこのままどんどん掘りすすめる!

なにせ、もてぃちゃんを守る壁を作るんだからな。


もう、完全にもてぃちゃんを守る壁だと思ってやがる。この馬鹿ほんと危ない馬鹿だな。


ガツガツガツガツガッガッ

ジャリッジャリッガッガッ



さて、そろそろ昼か。あいつら呼びに……

あれ?いない…アイツらまさか!!



ってギィヤァーーー!!!!ななな、なんだこの穴は!?


おぉー!なんだキモオタかぁ!

気持ち悪い声出してなんかあったかー?


つか休憩まだかよー?5時間もぶっ続けで穴掘りさせやがって!

こっちは体力馬鹿が馬鹿みたいに掘りすすめるからヘトヘトだぞー!休ませろー!



おまいらぁ!!!

穴掘りすぎなりぃぃぃ!!!

どんだけ深い穴掘ってるとゆーか、2人だけでこの短時間にどうしたらこうなるのだぁぁ!!



何言ってんだ?もてぃちゃんがずーっと穴掘りするとか朝言ってたぞー!


温泉でも掘る気かぁ!!

ちょっと、待て!まずストップだストップ!

今すぐ穴掘るのやめて!!こっちに上がってくるなり!


んだよ、ぎゃあぎゃあ騒ぎやがって。

うるせーなぁ。


ちょ、おまえらここで待ってろ。

てか、休んでろ!


おう!


いま、もてぃたん氏呼んでくる。



いやぁーー!!

ちょっと!あんたたちこれ、何考えてるの!!?

この短時間でどれだけ深い穴掘ってるのよ!!


そんな驚いてもらえるなんて!へへへ!

もてぃちゃんを守る為の壁の穴だぜ!

満足してくれたかな?

足りないなら俺はまだまだいけるぜ?


は?何言ってるの?

なんなのそのドヤ顔は。誰がこんな馬鹿みたいな穴掘れって言ったのよ!普通ここまでやらないでしょ!


えぇー!そりゃないぜもてぃちゃんー。

この穴掘るのもけっこー大変だったんだぜ?

もてぃちゃんを守る丈夫な壁を作る為にガンバったんだよ?俺ら。

山田も途中からへばりそうになって文句ばっか言ってたけど、初仕事だからサボらずやってたし。


へばれよ!つか、その異常な体力はどこからでてくるの?常識を考えなさい!



常識って、、、俺らはもてぃちゃんに言われた通りずーっと穴掘りしてただけだよ?


(うぅ、コイツらが履歴書も知らない前代未聞の馬鹿とアホなの忘れてた。でも普通ここまでする?ここまでできる?…


…馬鹿ヂカラ。アホの一念岩をも通す。

馬鹿と鋏は使いよう。。。)


もゔ掘っちゃったのは仕方ないわ。

これ、もう埋めて。


えぇ!!!!せっかく掘ったのに?!


掘り過ぎなのよ!!

いや、私が悪かったわ。

いい?よく聞いて。

ここに鉄筋コンクリートの壁を作るから、幅50センチ、深さ70センチの穴をここからあそこまで掘ってちょうだい。

というか、埋めてちょうだい…

わかった?


はい…。でも、俺らすごいがんばったよね?

そこは褒めてくれるよね?


うん。そうね。驚いたわ。

それに最初に細かい指示を出さなかった私も悪かったわ。ごめんなさい。

ケガだけはしないように気をつけてね。


おう!任せとけ!



山田ぁ。ヘトヘトで休憩してるとこ悪いが、あの穴、昼からやり直しだって。


はぁ!?なんでだよ!!あんなに苦労したのに!!!!


いや、掘り過ぎだってさ。

幅50センチ深さ70センチの穴でいいんだって。だから昼からあの穴埋める作業だって。


はぁ!!??二度手間じゃねぇか!!

だから言っただろーが!お前はいつもやり過ぎるんだよ!

俺はもういいんじゃないかって何度も言っただろーが馬鹿が!

だから一回聞きに行けばよかったんだよ!!

ふざけんなよ!!

余計疲れるじゃねぇか!

馬鹿のせいで完全に無駄骨だよ!!

穴埋めはお前1人でやれよ!!


そんな事言わずに一緒にやってくれよぅ!

それに俺が掘りすすめるって言った時、お前だって納得してただろう?


うるせぇ!俺はお前の馬鹿な体力と馬鹿な発想のおかげで、もうヘトヘトなんだよ!


悪かったって!後で一杯おごるからさ!


一杯も二杯もいらねぇから1人でやれ!


頼むよぅ。お前は午前中みたいにがんばらなくてもいいからさ!その分俺ががんばるから!なぁ?


当たり前だ馬鹿が!それと、今度からは俺の

言うことをちゃんと聞けよ!


さすが山田ちゃん!昼からも頼むよぅ!


チッ、馬鹿といるとほんと疲れるな。




…ちょっと、キモオタ。

時折2人の様子を見ておいて。

私もたまに巡回くるから。


りょーかいなり。

しかし、驚いたですなぁ。短時間であんな深い穴を2人だけで掘るなんて。体力のパラメータが異常値なり。あんなのチートみたいなものずら。


そうね。あの異常な体力は肉体労働をするのにうってつけだけど、あの2人何を考えてるのか全くわからいわ。

なんか私を守る壁を作るとかなんとか言ってたし。意味がわからないわ。


きゃつらの行動には注意が必要なり。

もんてぃ氏、今日は拙僧と一緒に昼食を食べながら、きゃつらの起用についての作戦会議を…


……(すたすたすた)


もてぃたん氏!きゃつらの起用についての作戦会議が早急に必要なり!

ひいてはこの昼食時間を使って、


…(すたすたすたすた)


もてぃたん…氏…


おいおい、そんなとこでうなだれて、どうしたキモオタぁ?


どうせ、もてぃちゃんに昼メシご一緒しまそうぞとか言ってフラれたんだろ?ケラケラ


うるさい!オマイらのせいでもてぃたん氏は拙僧の声が聞こえなくなるほど考え込んでしまっていただけだ!

拙僧が無視されてるわけではない!


なんだキモオタ?もてぃちゃんに無視されてんのか?ケラケラ


だから違うと言ってるであろうが。


いいから早くメシ食おうぜ!腹ペコだ!



ふぅー。あの2人とんでもないわ。

当の本人達はいたって真剣だから余計困るし。キモオタじゃないけど、彼らの起用にあたっては十分な注意が必要ね。



おい!ここ!3センチ深いぞ!


うるせー。おまえの方こそ、ここの幅2センチオーバーしてるだろうが!


おいおい御二方さんや。ただの土台の穴掘りなんだからそんなにキチキチしなくても大丈夫ぞよ。


はぁ?交通整理がなに言ってんだ!俺らはちゃんともてぃちゃんに指示もらってんだよ!


そーだそーだ!横から口出してんじゃねぇよ!交通整理が!


ひ、人がせっかく教え…


おい!キモオタそこ踏んでんじゃねぇよ!

何やってんだよ!


ぐぬっ、また人が喋ってる途中に、


おいおいおい!てめぇのデブのせいで見ろこれ!2.5センチも下がっちまっただろうが!


ちゃんと直してから戻れよ!クソデブのキモオタが!


くぅー、よかれと思って言ってやってるのにこの2人は、、言いたい放題…


おいキモオタ!なに足でテキトーにやってんだよ!2センチオーバーしてるぞ!やり直し!


うるさい!俺は先輩だぞ!

それにそんな細かい値は別に気にしなくていいずら!


いやいや、現場仕切ってるもてぃたんが正確な値を指示してくれたんだからさ、仕事はキッチリやろうよー。キモオタ先輩。


そーだ!ちゃんとやれ!それが嫌ならもてぃたんに反論してこいよ!


だからこれはある程度テキトーに穴掘ればいいんだってば!


何言ってるんだ!俺らはさっきそれでもてぃちゃんに叱られたんだぞ!


そーだそーだ!交通整理が!黙って仕事しろよなぁ!

でも怒ったもてぃたんも可愛かったな!


ほんとなぁ!あの困り顔とかたまらん。


(くそー!

こいつら、バカの癖に変にこだわり強くてやりづらいなり。。

それにあれはもうおまえらに呆れかえってた顔だよ。クソバカ共が。)


ちょっとあんたら何やってんの?


とゆーか、キモオタ、交通整理は?


もてぃたん氏!違うんだ!これはコイツらが!このバカ共が。


あぁ!現場監督ぅー!

そこ!踏んでる!踏んでる!


はぁ?


ほら、ここ!3センチも下がってるよ!

あれ?デブのキモオタが踏んだ時は2センチちょっとだったのに。。


(何言ってんのコイツら。3センチって?

まさかコイツら、寸分狂わず穴掘ってる訳…?)


もしかして…もてぃちゃんって、キモオタよりも体重重い?


はい?前田くん、いま、何か言った?


馬鹿が!んなわけねぇだろ!


でも、キモオタの時より土が下がってるぜ?


まぁ、キモオタ以上って事はないにしても意外に重いってのはあるかもな。

でもお前それは失礼だぞ!


バシ!バシ!

どーでもいいから早く仕事終わらせない。


イッテェ!!ローキックかよ。


こっちはボディブローだよ。つか、正拳突き、、オゥエ。


で、キモオタは何やってるの?早く交通整理に戻りなさい。


いや、拙僧も嬲(なぶ)って欲しいなぁと…


…じとぉー……(すたすたすた)


また無視されたなりぃー。

オマイらだけズルいなり!

拙僧もまだ叩かれた事ないのにぃーー!!


何言ってやがる!ありゃガチだぞ!クソいてぇ。


あぁ、もてぃちゃん攻撃力ハンパないわ。


拙僧も愛のムチで思い切り嬲(なぶ)って欲しかったずら。


キモオタドMかよ!


ケラケラ。ブたれなくて残念だったな。もてぃちゃん完全に軽蔑してたぞ。


確かにブたれはしなかったものの、まぁ、いいか。

君たちも見ただろう?

あのゾクっとするような軽蔑の眼差し。

蔑むように拙僧を見つめるあの眼差しもまた、たまらんずらぁ。

拙僧にとっては軽蔑の眼差しですら、ご褒美なのだ。


マジかよ。重症だなこいつは。ある意味最強のポジ男だな。


キモオタまじやべぇ。

クセ強すぎ。ケラケラ。


あんたらぁ、笑ってる場合なのぉ?


あ、やべ!もてぃちゃん戻ってきた!

すいません!すぐに終わらせます!!


はぁ。ほんと疲れる。



つか、もてぃちゃん可愛いけど、ちょっと怖いな。


うん。あれは本気で怒らせたらヤバいやつだな。


また怒られないようにさっさと仕事終わらせちまおう。


監督ぅー!穴掘り作業完了しました!!

作業確認お願いします!!


あ、2人ともお疲れさまー。


キモオタは?


はい!あちらで女子小学生をナンパしてます!


はぁ?どうゆう事?


いや、よくわかりませんが女子小学生の集団に拙僧はモテるみたいな事言って、部屋においで的な事言ってました。


側からみたら完全に変質者でした。


ちょっと私、スコップ研いでから行くから、キモオタを動けないように捕まえておいて。


もてぃちゃんまさか、そのスコップ研いでキモオタをヤっちゃうつもりじゃ…


あなたたち穴掘り得意だもの、キモオタ埋めるくらいの穴ならすぐ掘れるでしょ?ニコッ


ヤバイぞ!目がガチだ。

全く笑ってない。怖い。やっぱもてぃちゃん怖い。


皆の衆お疲れでごわす!


あら、キモオタ。戻ってきたの?

女子小学生のナンパは終わったの?


ナ、ナンパ?ナンパとはなんですぞ?


してただろ? 小学生の女の子集団に


拙僧はこう見えてモテるのである!

部屋だってオシャ部屋だ!疑うなら一度遊びに来てみればいいであろう!お菓子もジュースもゲームも沢山あるぞな!


とかって言ってただろ?


小学生を社宅に連れ込んで何をしようとしてたの?!この変態クソロリオタク!

今すぐクビにして警察に連れていくわ。


違うのだよ!

もてぃたん氏、誤解ぞな!

まず、拙僧の話を聞くぞな!


なによ?言い訳は聞かないわよ!


違うんだ。あの女子小学生集団が、拙僧を指差してクスクス笑いながら、

きもーい。あれ絶対オタクだよ。部屋にフィギュアとか沢山あって、アニメ見ながら、⚪︎○たーんとか、萌えーとか言ってるんだよ。キャーイヤァー

と失礼な事を言って来たので、

拙僧の部屋がいかに、モテ部屋かと言うことを説明してただけであって、拙僧はあんなロリ小学生共に下心など微塵もないでござる!

全く近頃の小学生は見た目で人をキモオタ扱いして。

これだから女子集団は嫌なのですよ。


いや、それまんまお前じゃねぇかよ。


ケラケラ。確かに!!夜キモオタの部屋から萌えーとか叫んでるの聞こえてくるし。


うるさい!!バカ共。黙ってろ。


それで?どうしてその子達を部屋に連れ込もうとしたの?その子たちを部屋に連れ込んでどうするつもりだったの?


いや、もてぃたん氏!違うですよ!

部屋に連れ込もうとか、どうするつもりとかではなくてですね、

拙僧の部屋がモテ部屋だと説明してたのですよ。

そしたら、小学生が絶対嘘だ!とか、証拠は?とか言うので、

そんなに言うなら拙僧の部屋を一度見にくればいいと言っただけなのですよ。

すると今度は部屋が臭そうとか、汚そうとか、すでに臭いとか、キモいとか言ってきたので、

綺麗な部屋だし、お客様用にジュースもお菓子もゲームも取り揃えてると説明すると、

この人変態だの、お巡りさーんだの言って逃げていったなり。

全く近頃のJSは人を勝手に傷つけて教育がなってないでごわす。

これだから女子集団は嫌なのだよ。


キモオタ。…かわいそうに。


前田氏…


すでに臭いとかキモいなんてただの悪口だよな…


前田氏ぃ…


だか、キモオタよ。残念な事にお前はすでに臭いし、汗ぐっしょりでキモいぞ。


前田氏ぃぃぃ!!!


ケラケラ。でも知らない女子小学生を社宅に招いちゃまずいだろー。

ジュースとお菓子とゲームって、セリフがまさにロリコンの変質者みたいだぞ!ケラケラ


別に招いてはいないずら!

拙僧をそんなデフォルトのロリコン変質者と一緒にするな!


笑い話で済んだからいいけれど、こいつ。本当やばいな。と思う山元だった。


まぁいいや。なんもなかったなら。

じゃあ、みんな帰るよー!

今日は新人2人の歓迎会だから7時に会社の裏の居酒屋集合ね!


はーい!

やっほほぅーい!

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馬鹿ヂカラ @yamatousi

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