この作品を語るのに言葉なんかいりません。こんなレビューなんか読む前に、さっさと1話を読んでみてください。と言いたいところなのですが、それだとレビューが成り立ちません。なんてこった。
まず読みやすいです。こういうところが、と示すのが難しいくらい、色んな要素が噛み合って「読みやすい文章」に出来上がっているような印象があります。それは難解な言葉があまり使われていないことであったり、一人称視点で進んでいく構成であったり、二人だけの関係を最初から最後まで描き続けるという分かりやすい作風であったり。
あと、些細な一文がとても心に残るんですよね。句読点まで読んでから「えっ、今の表現いいなぁ」と思って少し前から読み直したり「これをこう表現するのね……」と唸ってしまうような点が幾つもあったりと、とても勉強になります。あと二人の台詞の言葉選びも好きです。
それから、関係の描き方がとても巧みなんです。一見関係のなさそうに見える景色の一部を関係を描く要素として使っていて、あぁ、巧いなぁ……と思わされます。それに引き換え、このレビューの語彙はヒドいものですね。笑ってください。
殺伐百合に興味がある方への入り口に、あらゆる点でぴったりの作品だと思います。
もし殺伐百合の教科書があったなら、この作品は間違いなく載るでしょう。
この殺伐百合がスゴイ!とツイッターでこの作品を見かけ、周囲の方(TL)は「素晴らしい」「良すぎる」などの称賛を受けていました。
ひねくれゴミキモオタDXチョモランマ盛りの私は、「ヘヘッ、最近色々殺伐百合を食しているワイをうならせられるかな!」とクソ生意気1000%な気持ちで1話を読みました。そして1話を読み終えた頃には、あまりの作品の素晴らしさによって牙が抜かれたキモオタが転がっていました。
「自分がいかに井の中の蛙だったか」と言うことを反省し、このままではいけないと、己の精神鍛錬と殺伐百合への感謝のために、正拳突きを会社の柱に行っています。会社爆発しないかな!!
真面目なレビューをすると、全5話と読みやすい文量に対し物語は読み応えのある内容でした。初めて殺伐百合を読む方に是非おすすめです!
GODが大変なものをこの世に落としていきましたねぇ……。
落としちゃったのか放り投げたのかは定かではありませんが、おそらく後者でしょうねぇ。
内容については触れませんが、とにかくGODですね。
必要のないキャラの描写だとか、そもそも登場だとかが綺麗に削ぎ落とされています。「え?その描写いる?キャラいる?いらないよね。じゃあしないよ」という作者の声が聞こえてくるかのような、非常に洗練された構成です。
無駄なものがない、故に描写の全てが二人の殺伐感情にまつわるもの。
はい、つまり。それは? そう。GODなんですよね。
「殺伐百合?なんだそれ?」って状態でこんなの書く人がいますか?
いませんよね。つまり……?はい、もう言わなくても分かりますよね。
殺伐百合よーわからんと言いながら殺伐百合の入門書みたいな
作品をさらっと作り上げてしまった暮先生に拍手。
誰いま先生って言ったの。GODでしょ。