余白
……愛される為には、
こんな僕を君は好いていたと云うだろうか。君は云うかもしれない。けれど、誰かを愛することと、誰かに愛されることが対等に向き合っているのなら、君はやはり僕を愛してなどいなかった。なぜなら、僕は君を愛していなかったのだから。
君を好きになれたら良かった、君と話が出来たら良かった。僕は、誰かを愛せる人間に為りたかった。けれど、そう為れないと知ったとき、僕はどうしても、あの、絶望というものを胸に抱かないではいられなかった。だから抱えて行く前に少しだけ、此処に落としておきたかった。そうすればこんな躰でも、少しくらいは、軽やかに飛ぶことが出来るのだろうと思ったから。
夜間飛翔 翳目 @kasumime
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