第150話 妙な予感
莉緒の駆る私たちのチームのフィットは、コース復帰してからも堅調に走り続けた。
こうしたレース競技に出た事はほぼなかった莉緒だったけれど、ここの所かなり練習を重ねていたようで、レースペースにもしっかり乗れるくらいのドライビングテクニックを身に着けていた。コーナーリング、ブレーキングも莉緒らしいスムーズなもので、見ていて中々安心できるものであった。
監督のユリも私のもとにテンション高めで駆け寄ってきて来た。
「莉緒、結構上手くなったよね。レースペース他のチームと変わらないもの」
「本当、そうねえ・・・・ 前に比べて明らかにクルマを高速域でコントロールできるようになってるというか。凄い綺麗にクルマ走らせてるよね~」
二人で感心しきりであった。
莉緒のスティントは短めに設けているし、このまま何事もなければ、かなり上までいけるんじゃね・・・・と言った感じだった。
一方の莉緒も
「凄い、なんか今日は凄い乗れてる・・・・!楽しい!」
と、車内で思わずこぼしてしまうくらいレースを楽しめているようであった。
不気味なくらい良いペースで進んでいたレースだったけれど、逆に上手く行き過ぎていて、どこか心の中で妙な予感が浮かんできていた。
そして、その予感は的中をしてしまうのであった。
続く。
ヤマネコデイズ!!~ずっと憧れてた相棒と共に~ 須田凛音 @nemerin
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