あとがき

どうもこんにちは。

山田夏緒です。


この度は『純』閲読ありがとうございました。

如何でしたでしょうか、読みにくくはなかったでしょうか。

ここからはあとがきという形で、感想のような言い訳のような、はたまた説明のような、大したことは書きませんが、取り敢えず好き勝手書きたいと思っておりますので、しゃあねぇなぁ時間あるから暇潰しにでも読んでやるよ、なあんていう奇特で物好きな方だけどうぞ。


純は、色のイメージでいうと、暗ーいネイビーブルーに、ちっこいシャンパンゴールドがいくらか散りばめられているような感じでした。

構成のイメージとしては、2組のカップル使って全てを対照的にしたいと思っておりました。

未来と過去、始まりと終わり、男と女、好きと嫌いの意味、強さと弱さ、深さと浅さ、直線と曲線、そういったものが、隣り合ったボロアパートの二部屋で織り成されていったら、果たしてこれは面白いのだろうか、そんなふうに考えてつくりました。

おっさんだから強いわけではないし、若者だから弱いわけでもない。

綺麗と汚いの意味だって見方と捉え方によって違うものだろうし、見えているものが全てでもない。

人間ってどんなもんかなあ、と思いながら書いていました。

伝わっていればいいなあ。

あとはあれかな、せっかく設定時期を夏にしたので、できるだけ夏を印象づけるような描写は頑張ったつもりでいます。

最後のほうはちょっと力尽きてしまったんだけれども。

あとはあれかな、あきらのとこの社長がわたしは個人的に一番気に入っておりました。

台詞があるキャラクターの中では、あの便利屋の社長が一番考え方とかは大人であるという設定のもとつくった結果あんな人になってしまいましたが、気に入っております。

皆様はどの人物がお気に召して頂けたでしょうか。


あとあれだね、タイトルの『純』に関しては、本当にもう、書いてる最中にも最後のほうまでずっと悩んだんです。

『純』か『不純』か、はたまた並べて『純と不純』にするか、それともいっそ全然違うものにするべきか、本当に困りました。

汚く見えるものが本当は何よりも綺麗であったり、純粋に見えるものこそが実はなによりも汚かったり、そういうものを書きたかったお話なので、どうすれば的確に伝わるだろうか、と、本当に散々考えました。

書き終わって、やっぱり間違ってなかったような気はしているので、まあ良かったかな。

そもそもは、『陽平とエリカ 5』のシーンが一番初めに思い浮かんでいたもので、あれを書きたいがためにつくったストーリーです。

陽平とエリカはもとから存在していて、彼らを引き立てるためにあきらっていう子ができて、一番苦労したのは慎二でした。

慎二をどういう子にすれば全体が際立つだろうか、と、これまた散々考えました。

陽平が不純に見える純粋だとすれば、慎二は純粋に見える不純です。

一番真っ白なのは、多分エリカの幼馴染の誠ですかね。

いやー、みんな考えるの大変だったなあ。


あとなんか書いとくことありましたかね。

浮かばないんだけど、コメントでも頂けたらなんでもお答え致しますので、気になることございましたらいつでもお気軽にどうぞ。


ではでは取り敢えずここまで。

長らくお付き合いくださいまして、本当にありがとうございました。

誰かの何かにほんのちょっとでも引っ掛かるような存在になれたらいいなあって思っております。

山田夏緒でした。




 追記。

 カクヨムさんだけの特別追記でーす。

 いっちばん最後に出てきた祥子ですが、あいつなんやねん、と思われた方が多いかなと思ったので、祥子の裏話だけ書いときますね。

 祥子は陽平の元カノです。

 別れたあとも友人関係を続けていたんだけど、ずっと陽平に未練がありまして。

 タイミングを見計らって、勝算のある賭けに出た、ってかたちですね。

 本人は陽平にあんなこと言ってましたが、陽平を実質的に手に入れたかったんです。

 だから結婚を持ちかけた、だから陽平の子どもが欲しかった。

 そのためなら耐えられるものがある。

 これが祥子の本音です。

 陽平はこれは知らない事実です。


 だからね、祥子以外は正しい現実なんて誰も見えてねんだよな。

 結果は祥子の勝ち。

 っていう、裏話でしたー。

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夏緒 @yamada8833

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