後編〜第五位から第一位〜



第五位『フランス共和国』

・経済力 GDPは堂々世界第六位! 次に紹介する国と激しくしのぎを削りあっています。ヨーロッパ第三の経済大国で、今話題のルノーをはじめとした大企業も多数抱えています。とはいえ労働組合の強い国で、「フランスで起業する人は馬鹿」と言われることもあるのだとか。企業的には保守的な風土なのかもしれませんね。

・軍事力 軍事力ランキング堂々の五位にして、核兵器保有国です。原子力空母シャルル=ドゴールやルクレール戦車を筆頭に高性能兵器(ドゴールに関してはいろいろありますが)を揃えており、規模もヨーロッパでは最大です。

・影響力 安保常任理事国にして、言わずと知れたG7の一角。ドイツの伸長を最も警戒している国家であり、EUにおいて第二の影響力を持っているといって過言ではないでしょう。周辺国家との戦争リスクが低いことも相まって、独力で軍事行動を起こしうる力を秘めています。

・地理 ヨーロッパの西の端。南側と南東部は山脈があり防衛しやすい地形です。北東部の広大な平原地帯は両大戦で二度も突破された前例があるため脆弱ですが、現状敵対国家が周囲にないため即時問題とはなりません。

・備考 テロやストライキ、そして毎回大統領の支持率が低いことで有名なフランスはこの順位となりました。フランスの皆さん、イギリスには負けないと言わないでください、これは偏見です。フランスの方がイギリスよりご飯は美味しいです。さっきの紹介は悪意があったので言い直せば、パリの美しい街並みやエッフェル塔、フルコースで有名な国です。最近ではノートルダム大聖堂の火災で注目を集めました。今後とも、マクロン大統領の采配に注目です。



第四位『グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(イギリス)』

・経済力 GDPは堂々世界第五位! かつての七つの海を支配した大英帝国の面影は消え去ったわけではありません。観光業の他、金融や製造業と日本と似たような分野で強い地力があります。掃除機で有名なダイソンとか、聞いたことはありますよね。吸引力が変わらない掃除機と同じく、イギリスの栄光も変わらな……ければどんなに良かったことでしょう。

・軍事力 核を保有しています。世界軍事力ランキング八位。前年度のランキングと比較して、日本と入れ替わるように下がりました。日本と同じ島国なだけあって海軍と空軍に力が入れられています。新型空母を就役させる予定もあり、少し前に一大軍縮を済ませたと思えば、近年見直しが進んでいるのでしょうか? ロイヤルネイビー復活の是非はともかく、ロマンではあります。また英国軍といえば特殊部隊の実力と実績で有名です。また近代戦の実戦経験がアメリカ同様に豊富です。

・影響力 安保常任理事国にしてG7の一角。前々からEU加盟国ではありますがユーロは採用していないなど、距離を置きたがっている感覚はありました。そして国民投票の結果EU離脱が決定したかと思えば、ブレグジットのやり方で揉めに揉めていますね。そんなこんなでヨーロッパにおける影響力は独仏に比べると劣る印象があります。しかし国際的なプレゼンスとなると話は別で、英連邦の名残りや有能な諜報機関により高い影響力を誇っています。

・地理 島国のため国土を侵略され難いという点で、日本と共通しています。また周辺国と敵対関係にないため国防における懸念が少なく、大規模な海外展開を想定できます。

・備考 ご飯が美味しくないイメージがあるけど本当は結構美味しい(一部)国が第四位です。食べたことはありませんが、ジョークにされるほど不味いわけではないそうな。でも伝統料理は独特の味だとか。

 最近ではやっぱりEU離脱で話題になっている国です。イギリスがEUを離脱してしまえば突然国境に壁ができたように人や物の通行が制限される、北アイルランドとアイルランドの国境が不穏な動きを見せているのだそう。

 現状はこのランクに置きましたが、今後の状況に注目が必要です。ん、でも軍事力を重視するならフランスの方が上でしょうか? 迷いますね。



第三位『ロシア連邦』

・経済力 GDP世界第十一位。悲惨の一言だったのを、プーチン大統領がエネルギー政策などで持ち直しつつあるのが現状です。しかし相変わらずクリミア併合への国際社会による制裁が効いており、あまり良い状況ではないそうな。

・軍事力 世界軍事力ランキング二位! そして核保有国です。ソ連時代ほどとはいかなくとも、以前強大な軍隊を保有しています。特にその陸軍戦力は圧巻そのもの。戦車や装甲車量の数では他を凌駕しています。独自の発展を遂げた兵器体系や強力な特殊部隊もあり、その軍事力によって影響力を保障しているといえます。またそのミサイル戦力は高く、アメリカとの核戦争に備えていたソ連のものを受け継ぎ更なる発展を遂げています。ソ連時代には「核ミサイル乱打して敵の前線を破壊してから戦車で突破する」という作戦を立てていたとのことですが、ロシア時代でもそのドクトリンは生きていることでしょう。

・影響力 安保常任理事国です。軍事力に裏打ちされた国際影響力の高さが、ニュースへの出現率の高さに現れています。プーチン大統領による半独裁体制(でも民主国家なんです一応)のもと、ヨーロッパや中東、中央アジア果ては南アメリカまで影響力の触手を伸ばしています。ソ連時代ほどとは流石に行かないまでも、斜陽の大国とは呼べません。強力な核戦力や諜報機関を背景にして、これからも国際社会を揺れ動かす三大国として君臨するでしょう……プーチンが居なくなってからが心配ですが。

・地理 これは当事国のロシアより、二十世紀最大の地政学的惨事だ。とのお言葉を頂いているほど良くありません。ヨーロッパから首都モスクワまではピザ型の平原が広がっており、中国と接する国境線も長く、防衛には是が非でも大量の軍隊が必要になります。不凍港もありませんから、冬季は大変です。だからクリミア半島を併合したら経済制裁を受け……と、強い国のイメージ一転地理的には脆弱な国でもあります。いざとなれば冬将軍に頼りましょう。

・備考 中国とどちらを二位にするのかかなり迷いました。ヨーロッパから見たら二位なのかもしれませんが、私は日本人ということでこのような結果になりましたね。世界最大の面積を持つ国として、雪国として、子供でも位置を知っている国の一つでしょう。崩壊の危険があると再三指摘される国家ではありますが、プーチンのカリスマと恐怖の両面によって良くも悪くも支えられているようです。問題は日本と同じ少子高齢化の進行と、軍事費の高さです。今後も経済制裁が続くとなれば、何らかの行動を起こす可能性もなきにしもあらずです。



第二位『中華人民共和国』

・経済力 GDP堂々の世界第二位! そのGDPは日本の倍以上ともされ、十四億の人口を存分に活かした凄まじい経済発展が見て取れます。リーマンショック頃に経済政策を成功させてからというもの、二十一世紀最大の経済発展を遂げ、新時代の超大国への道を勢いよく駆け上がってきました。近年陰りが見えているものの、その経済力は健在です。

・軍事力 軍事力ランキング世界第三位。国共内戦に勝利を収めてから徐々に拡大し、今では世界最大の規模を誇る軍隊へと成長しました。今ではステルス戦闘機や中国版イージス、航空母艦や高性能な戦車を備える一級の軍隊として人民解放軍の名を轟かせています。軍事費も世界第二位であり、特にミサイル戦力の拡充を推し進めています。日本にとって最大の脅威となるとしたらここの軍隊でしょう。

・影響力 安保常任理事国です。独自の東亜開発銀行を打ち立てると共に、一帯一路を通じた大陸規模の経済ブロックを打ちたてようと画策しています。発展途上国、特にアフリカへの支援が著しく、アジア最大の国家としてのプレゼンスを存分に外交力へ変換しています。大国化に伴いアメリカとの対立が起こると流石に勝てませんが、先進国による秩序に風穴を開けたと言えるでしょう。

・地理 南方を山脈と森林、西を山脈や砂漠、北を砂漠や森林に囲われており、地勢的には安全保障上十分なほど拡張した国家です。これ以上拡大する必要は安全保障上あまりありません。しかし沿岸部が脆弱なため、海軍強化は必須でしょう。

・備考 前進! 前進! 前進進! のなんとなくリズムの良い国歌で知られる(そうでもない)中国が二位となりました。世界の中心は中華なのに二位とはおかしいなという方はすみません、これは偏見です。南シナ海への武力進出や尖閣諸島問題、チベットウイグル問題など先進国のヘイトを買うことばかりしている国ですが、それでも十四億の市場に有能な官僚制度を持つ国は強いです。腐敗? ナンノコトカワカラナイナー。この国についてはあまり説明することもないでしょう。最近は日中友好へ舵を切ったらしい習近平主席ですが、今後の中国外交に注目が集まります。




第一位『アメリカ合衆国』

・経済力 GDPランキング堂々の一位! 一時期は日本に抜かれるとか、中国に抜かれるとか言われていましたが全くそんなことはありません。そして常に安定した成長を続けているのが恐ろしいところ。一国でアジア、ヨーロッパそれぞれと十分に渡り合える産業を持っているのも恐ろしいです。貿易赤字額も世界一位なのはご愛嬌ですね。

・軍事力 ランキングでは堂々の世界一位。軍事予算も第一位。核兵器も保有しています。圧倒的規模の海軍と空軍、そして凄まじい技術力の兵器群は他を圧倒するだけの力があります。第二次世界大戦において日本海軍を破った海軍は特に協力であり、全世界に第三艦隊から第七艦隊が分立し、サイバー戦専門の第十艦隊を除けば五個艦隊で全世界の制海権を握っています。戦闘機の性能は随一であり、新世代戦闘機の開発に成功しているのは今のところアメリカだけです。陸軍もストライカー戦闘旅団の整備など海外展開能力は高められ続けており、まさに最強の軍隊だと言えます。

・影響力 安保常任理事国にして、G7の一角。世界最大の軍事同盟NATOの盟主でもあり、独自に戦争を起こしても誰も止められないだけの力があります。

・地理 アジア、ヨーロッパという巨大経済圏の両方に接続でき、制海権を握っているためにその交易の安全を握っています。この地勢があるからこそ、二十一世紀中のアメリカの覇権は揺るがない……と予想する専門家も多いです。

・備考 日本とオーストラリアとの関係を同盟ではないとするならば、アメリカは日本唯一の同盟国です。日本の安全はこの超大国によって保障されてきたと言っても過言ではありません。中国が大国化する中にあって、アメリカとの同盟はより価値を増しています。トランプ大統領就任や国内の分断がよく報道されていますが、以前アメリカに取って代わると目される国は存在しません。私たちの生きる時代、アメリカとの関係はあらゆる外交において最も注視すべきものとなるでしょう。





 如何だったでしょうか? 後半は少し走り気味になってしまいましたが、これにてランキング終了とさせていただきます。少しでも国際情勢などに興味を持って頂けたなら幸いです。

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