本編

『テレビ』の特徴


 テレビの特徴は、『放送法の影響下に置かれる』『間違った報道をしても修正が短い』『ワイドショーが強い』と言う点です。

 放送法とは簡単に言えば、「みんなが見るものなんだから、政治的に偏った報道とか、嘘の報道をしてはいけないよ!」という法律です。放送法の名の通り、これはラジオやテレビだけに適用され、本は当たり前にしろ新聞にも適用されません。だから「本に嘘は書いていない」「新聞は正論しか書いていない」というのは間違いです。また放送法が適用されているからと言って、テレビが偏っていないと考えるのは難しいでしょう。

 放送局によって大分スタンスが変わりますが(テレビ局の違いについては詳しくないので割愛します)、例えばこんなことがありました。


 とあるバラエティ番組の話です。外国の伝統のお祭りを紹介するコーナーが長年続いてきたのですが、ラオスのお祭りについて「でっちあげ」が判明しました。


 とあるワイドショーでの話です。野党議員が与党議員に握手を求めたのを拒否したシーンを放送して、コメンテーターは「握手くらいしてあげてもいいのにねぇ」という雰囲気になりました。しかしこれは意図的に編集された報道で、実際は握手をしていました。

 後からテレビ内で謝罪しましたが、それこそ十数秒の短いもので、「手違いで記念撮影を拒否したシーンを握手を拒否したとして報道した」との内容でした。


 例を挙げればキリがないですが、テレビは「嘘はつかないけど、真実を報道しないこともある」「表示する映像は編集できる」「両者の主張さえ報道していれば、放送時間比率五対一とかでも問題ない」などという特徴があります。

 こう書くと悪意があるように感じられるかもしれませんが、それでも他のメディアに比べれば嘘はなく、偏りも………………比較的、比較的少ないです。ニュースを見ると色々な知識を満遍なく見られるので、偏っている可能性もあるからと言ってテレビを見ないのは勿体ないですね。



『新聞』の特徴


 新聞の特徴は『偏ってても構わない』『テレビのソース(根拠)に使われやすい』『信用できる情報の量は多い』という点です。

 新聞は偏りが許されているというより、『偏っていることが民主主義の証』と言えるかも知れません。様々な思想が許されている、という証左になるからですね。

 しかし偏りのない情報を得るためには、少なくとも考え方が反対である二紙以上は取りたいところ。

 その為にも、五大全国紙の情報傾向について簡単に解説していきましょうか。


・読売新聞

 日本一刷られており、古き良き伝統ある新聞社です。内容はやや保守(右)というか、現政権である自民党寄りとなっています。そして何より巨人軍寄りですね。大衆受けする内容も多く読んでいて面白いです。

 新聞をどうしても一枚しか取りたくない場合はオススメの新聞社です。テレビでは現政権に批判的な報道も多いので、それぞれの主張を効果的に知ることができます。


・朝日新聞

 日本で二番目に刷られており、名前が売れている新聞社です。内容は革新(左)よりで、現政権である自民党には批判的です。社説においてはマイノリティや日本の問題提起が多く、考えさせられる内容となっています。

 読売新聞、産経新聞などを取る場合は是非とも一緒にとっておきたい新聞です。テレビとの兼ね合いでこの新聞を単体で取ることはオススメしませんが、それでもなかなか日本の未来を考えさせられる内容となっています。虚偽、デマなどの不祥事が少なくないのが不安ではあります。


・日経新聞

 その名の通り、経済関係が強いです。無骨な文章で特別偏りは感じませんね。とはいえ正直経済に興味がないなら読みにくいです。ぶっちゃけ私は読んでいないのでこれも受け売りですけども。

 経済に興味がある人、それ関係の仕事についている人にはオススメの新聞社です。また経済を語る上では欠かせない国際情勢に関しても詳しいです。


・毎日新聞

 日本最古の日刊紙です。ニッカンスポーツの名前は広く売れており、娯楽やスポーツに強い印象があります。記事の内容は革新(左)よりですが、たまに保守的主張もあったりと意外性のある新聞です。なお一度倒産したことがあります。

 スポーツが好きな方なら取って損はしません。政治的にはやはり、読売や産経と一緒に取ると良いと思います。不祥事が少なくないのが少し不安ではあります。


・産経新聞

 モノをハッキリ言う新聞。として売り出している新聞社です。内容は保守(右)よりで、色々と辛口にバシバシ書いていく新聞です。自民党を基本は支持するも時には激しく批判するなど、独自の道を突っ走っています。よく過激と称されることもありますが、不祥事は少ないです。

 朝日新聞と一緒に取ることを強くオススメします。この二紙を見れば嫌でも、「考え方の違い」を実感することになるでしょう。なお産経には「理屈は正しいけど空気を読まない」という気質があります。


 このように、新聞社には色々と違いがあります。よく理解して読めば、テレビ以上の情報源となるでしょう。

 とはいえ不祥事はテレビよりも遥かに多いのが新聞。朝日新聞と毎日新聞の不祥事は検索をかければすぐに出てくるので、新聞を読むのならば知っておいて損はありません。読売も合わせて平成元年の三大誤報など、調べてみると面白いです。例えば、


 老夫婦が一杯百円のラーメン店を、学生のためにやっていました。学生のために安く提供しようとしてきましたが、増税によってそれも危うくなっています。と言う記事がとある新聞で掲載されました。読者はこれを読んで、その老夫婦に支援をしたい! と思い何人かが支援を申し出ます。しかしこの百円ラーメン店。全くの作り話だったのです。


 みたいな話がゴロゴロ出てきます。

 また新聞社によく掲載される世論調査も、世論調査と言う割に新聞社によってバラバラ。同じ時期に掲載されたされた安倍政権支持率において、支持する、の割合が40%前半から50%前半までおよそ10パーセント近くの差がありました。勿論革新派の新聞は低く、保守派の新聞は高くなっています。


 このように新聞は偏りはあるものの、ネットより信ぴょう性の高い情報を、テレビより濃密に数多く得られると言う点で優秀です。可能なら、是非とも取るべきでしょう。




『書籍』の特徴


 書籍の特徴は『内容が自由』『情報量が多い』『過去の情報をより詳しく調べるのに向く』という点です。

 性質上最新情報には疎く、雑誌でもない限りは一歩遅れた情報しか得られません。その分深い考察や詳細な情報、時間が経ってから解明された新事実などが記述されています。偏りもテレビや新聞と違ってあからさまに分かるので、覚悟して読むことができます。勿論、本に嘘が書いてあった例は測定不能なレベルですが。

 本の信ぴょう性を判断する手っ取り早い手段は、参考文献の欄を見ることです。(つまり本作には参考文献が載せられていないので信ぴょう性は最低レベルです)


 このように本は、より詳しくなるための手段として使うのに適しています。ここにいらっしゃる方は本好きが多いと思いますので、是非そのまま、本を重用してください。



『ネット』の特徴


 インターネットの特徴は、『何よりも情報が早い』『デマや嘘が多い』『情報が隠されることが少ない』という点です。

 最近ではニュースはもっぱらネットで見ている、という方も多いでしょう。SNSの拡散力の高さが良くも悪くも私たちの生活に絶大な影響を与えているのは確かです。(なお筆者はラインしかやってない)

 個人が自由に発信できるという性質上デマや嘘が多く出回ります。災害時などは特に情報が混乱しているので、いつとは言いませんが、電気が止まるだの止まらないだの結構情報が飛び交っていて混乱しました。

 しかし今まで述べてきた通り、ネット以外の情報源ですら信ぴょう性に欠ける点はあります。それを知っている人は少ないですが、ネットはそもそも「嘘が多い」とみんなが知っていますから、逆にデマを掴みにくいとも考えられますね。逆に灯台下暗しと言いますが、マスコミの虚偽や偏向には気付きにくいのが実情です。


 ネットについて詳しく解説する必要は、皆様にはあまりないと思います。ですから、情報を集める上でオススメなネットの使い方を紹介するに留めましょう。

 それは「反対意見」の検索です。テレビで何かの政策についてトランプ大統領を非難していたなら、トランプ大統領への賛成意見だったり、その政策のメリットだったりを調べましょう。またはその情報にウソがないのか、ネットで調べるのも面白いです。マスコミの偏向報道が取り沙汰されるようになったのは、ネットの発展が原因と言われていますからね。先程テレビの嘘の例として述べた「握手してないと言ってたのに本当はしてた問題」もネットから発覚したそうです。

 単体で使うと信ぴょう性の薄いネットですが、他のマスコミと組み合わせることで、より真実に近い情報を選び取ることが出来るのです。




 如何だったでしょうか。情報源にはそれぞれの特徴や性質があり、メリットやデメリットがあることを理解していただけたかと思います。

 とはいえどんなに良い情報源を得たとしても、それを理解する側によっては意味を成しません。


・『認知的不協和』を理解する。

 例えば皆さん、「地球温暖化はウソ」「日本が核兵器を持っている」「フグの肝臓は食べても死なない」と言われたらどう思いますか? おそらく多くの人が、何言ってるんだコイツ。と思うでしょう。(先に挙げたのはあくまで単なる例です。特にフグとか、絶対試さないでください特に天然。嘘ですから)

 その自分の信じている真実とは違う情報を得たときに感じる不快感。それを認知的不協和と言います。

 例えば「慰安婦問題は新聞社のでっち上げ」と聞けば不快に感じる方もいるでしょうし、「北方領土は法的にロシアの領土である」と聞けば不快に感じる方もいるでしょう。(これもあくまで例ですから、噛みつかないでください)

 認知的不協和によって、なんとかしてこんなことを言っているやつを論破したい、だって相手は間違っているんだから……と考えてしまいがちになります。

 これが悪いとは言いません。しかし、このような心理が自分に働いているのだと知ることは大切です。

 また、先に聞いたことの方を中心に捉えるという脳の性質もあります。

 先に、物体Aは大きい。と聞いた後に、別の人に物体Aは小さい、と言われたら、どちらかと言えば先に言われた方を中心にして、後の方を何かおかしなことを言っているように感じてしまう。というものです。


 つまり人間は、自分の意見を正当化しやすい生き物です。それを自覚した上で、良き情報ライフを送ってください!

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テレビ・新聞・書籍・ネット〜より正しい情報を得るために〜 爆撃project @haisen

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