第1話 サンドスター

僕は春。男だ。中学三年生だが訳あって一人暮らしをしている。一時期不登校にもなっていたが、将来の事を考えて今は学校に行っている。


 正直、青春なんてゴミだ。一時期誰かを好きになることはあったが、当然フラれたしそのせいで暫く病み期が来て不登校になった。周りが幸せそう、あるいは楽しそうにしているのを見ると羨ましいとも思うし、なんで僕だけこうやって一人なんだろう、どうして生きているのだろうとかなり思考もネガティブになっている。


 まあ、一応生きてる意味となるものはあるにはあるんだけど。


 「にゃ~」

かわいい。僕は黒猫を飼っている。名前はリズだ。黒猫が不吉?知るかめっちゃ可愛いやんこんなんが不幸のもとな訳ないぞ 今は目の前で寝てる。

 

 というわけで一応可愛いネコちゃんと暮らすために生きてる訳だ。学校とかあるせいでずっとではないけどね。おとなしいし僕に懐いててマジでかわいい~

...学校無しでずっとネコちゃんと戯れてたら僕にネガティブ思考もボッチという概念もなさそうだな、一生日曜日だったらいいのに


 まあでも学校がある限りネガティブ思考取れないし勉強関係はどうにかなっても友人関係だけはどうにもなってない。正直辛い。でも高校行かないといけないし学校だけは絶対に行かないとやばい。最近不登校でネット活動している小学生いたけど大丈夫なのか彼


 あと話変わっちゃうけど僕今変なものを持ってるんだ。なんか前修学旅行で本州から離れた島に行ったんだけど、そこで僕は不思議なものを見つけたんだ。ずっとしまってたんだけど、なんか気になったからネコちゃん眺めながら今観察している。最初固形だったのになんか保管が適当だったせいか溶けちゃって液体になってるよ...入れ物がビンだったからいい感じになってるけど虹色の液体って相当やばいものに見えるぞ


 僕はそれを「サンドスター」って呼んでいる。僕の影が薄いのをいいことに夜ちょっとだけこっそり宿泊所から抜け出して砂浜に出てみたんだけど、なんかすっごく光ってる物体があって、思いっきり走って見に行った。


 「なんだろうこれ?めっちゃキラキラしてる」


 虹色で光を放っていて、結構遠くからも見える感じ。正直こんなもの持って帰ったら流石に誰かにばれるかなと思ったけどなんかすごく気になるしもって帰りたいしポケットに入れてすぐ戻った。流石にずっといると誰か見回りが部屋にきてまずいことになりそうだ。影薄くても部屋にいなかったらバレるだろうな


 窓開けて帰還。一階っていいよね


「ん、春どこ行ってたんだ...?なんかポケット光ってない?」


 ああ、部屋の奴にはバレちゃった。まあ余り組だし別にチクり魔でもないから問題はないんだけど...


 「ちょっと暇だし寝れないから砂浜出てただけだよ、ていうか誰か見回り来てないよね?」


 「俺も結構寝れてなかったけど一回も見回り来たの見てないし音すら聞こえなかったよ、これどっかの部屋騒いでてもおかしくないレベルじゃない...?」


 「僕騒げるほど陽キャじゃないし流石にまずそうだよ!?まあというわけで僕たちは寝よ?」


 「「おやすみ~」」


 まじかよ、サンドスターのこと聞いてきたのにそれについて答えなかったのに会話終わっちゃったよ


 とそんなことがあり結局今もなんなのかよくわかっていない。ていうか飛行機の持ち物検査に引っかからなかったって相当未知の物体ぽくない?


 というわけだ。っておいちょっと待て。猫よ、サンドスターに下手に触るんじゃない。って倒すな!?ゴロゴロガシャーン ビンだけだったらよかったんだけどリズまでバランス崩して机から落ちた...


 「うみゃ!?」


 「大丈夫かリズ!?」


 おいおい怪我絶対してるだろこれ、うかつに割れものをネコの前に置くんじゃなかった...机の後ろに倒れてどうなってるかよく見えない、とりあえず治療セットだけ持ってくるか...


 というわけで持ってきた。さっきなんか変な音なってたけどうちじゃないよな?

で、その次の光景がわけ分からないものだった。


 「リズ~」


 「いててて...御主人様さっきはごめんなさい...」


 「いいよいいよ、ってハァ!?」


うん。ネコがいないけどその代わりになんでか人がいるんだよ。猫耳生えてる。

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僕の光 z @Halua

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