第21話拡張増設

「お店さ…大きくしたら?」


そんな事を急に言い出したのはカティエだ。


「いやね…ここに店だしてからずっと混雑してるでしょ?そろそろ大きくしてもいいんじゃないの?って思ってね」


確かに… 常に満員が続いている状態ならば店を大きくした方が良いだろう。


しかし店をこれ以上広げるといってもスペースは既にない…


「隣の物件を買って繋げればいいんじゃないの?」


その手があったか!


俺は早速商人ギルドへと向かった。


「いらっしゃいませ! 本日はどのようなご用件でしょうか?」


「物件担当の人を呼んでもらえますか?」


「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」


しばらく待ってると奥から声がかかる。


「リョータ様よろしければこちらへどうぞ」


そう言われ奥へと案内される。


前は 受付での対応だったのに一体どういうことだろう?


「こちらの部屋へどうぞ」


受付嬢が部屋の扉を開けるするとそこには少し太った男の人が 待っていた。


「これはこれは…ようこそおいでくださいました! 私はギルドの物件を担当しておりますコスターと申します以後よろしくお願いいたします」


手を差し出されたので握手を交わす。


「どうぞお座りください!それで本日は物件をお探しとのことですがどのような物件でしょうか?」


俺は店を増築することを教え、 店の隣の物件を買いたいということを伝えた。


「そうでしたか…お店の隣は一軒お買い上げでよろしいでしょうか」


そこで少し考える…お金もたくさん余っているだろう… そして客足の多さから考えると一軒では足りないような気がする


さらに色々と考えた結果


「いや、3件購入する」


一瞬驚いたような顔を見せるコスターしかしすぐに笑顔に戻る。


「左3件でしょうか?」


「左2右1で頼む」


「かしこまりました。お値段になりますが前に右を一件買った時と同じで1000万になりますがよろしいでしょうか」


首を縦に振り頷く。


「ではお支払いはどのように?」


「ギルドにお金を預けているからそこからお願いします」


「かしこまりました。台帳を持ってきますのでお待ちください」


しばらくすると台帳を抱えて戻ってきた。


「それでは一緒に確認してください」


台帳をめくり最後に記載されたページへと目を向ける。


「 こちらの金額から3000万引かせていただきます。よろしいですね?」


「はい!お願いします」


そう言うとにコスターは台帳に書き足した。


「ではこの金額でお間違いないか確認していただき署名をお願いします」


台帳に書かれた金額が間違いないか確認し署名をした。


「これにて契約完了となります」


「ありがとうございます。前と同じで体育もつけてくれますよね?」


「もちろんでございます」


「じゃあ今日から使わせてもらいますね」


「かしこまりました。またのご利用のお待ちしております」


こうして俺は店を増築することとなった。



約1週間ほどで増築の作業は終わった。


店の壁と壁をぶち抜いて繋げるだけの作業だったので簡単に終わったようだ。


増築に使用した2軒の2階はそのまま客席として使用することにした。


これで少しは混雑は解消されるかと思ったがそうでもなかった。


流れがスムーズになったことによって更に客足が伸びた…何故だ…


理由は簡単。


今まで混んでいるのを見て諦めて違う店に食べに行っていた客がこちらへ戻ってくるようになったのだ。


そしてさらに問題がもう一つ発生した。


従業員が足りない…


店を大きくしたことによって今いる従業員の負担がさらに増えてしまった。


急ぎ従業員の補充を考えることにした。


テツたちのような孤児がいれば問題ないとは思うのだが果たして孤児はいるのだろうか?


「いますよ」


そう告げたのはクルルだった。


「教会に勤めてた時に孤児たちに炊き出しをしたことがあるのでこの町にも孤児はいますよ」


「大きい町なのに孤児いるんだ」


他のみんなが問題なければ孤児を雇おうと思った。


店が閉店した後に子供達に聞いてみた。


「お店を拡張したから従業員を増やそうと思うんだけど、どうかな?」


「今いる人数だと辛い部分があったので正直ありがたいです」


反対意見はないようだ。


ならばと早速孤児を探して…あっさりと見つかった。


協会の炊き出しにいったらいるかも?って思ったらあっさりと見つかった。


孤児達に事情を話してみると


「本当にいいんですか!?」


二つ返事で食いついてきた。

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