あとがき

 はい。という訳で『マッドな科学で青春よ回れ!』完結となります。


 ここからは後書きとなりますので、興味のない方は読み飛ばしても問題ありません。


 本作品は短編『平成シンク~ドキドキ恋心略奪大作戦』を長編に書き直したものです。それを連作短編として連載をしてみたのですが……。


 いやあ、書きやすかった(笑)


 性に合ってました。まあ閑話でも述べましたが、連作短編というわりに各話で結構密接な繋がりを持ってしまっていますけれども。まあその辺りは私自身あまり拘っていません。


 連載当初は「気が向いたら書く」くらいの気持ちでした。しかし想定以上の応援を頂きまして、私も興が乗って本作に集中してしまい、気がつけば一週間に一エピソード、遅くても二週間くらいという、予定よりも大分ハイペースに書いてしまいました。お陰様で私の執筆ライフは急速に発展し、充実しております。



 さて、この後書きでは各エピソードの所感を述べていこうと思います。ネタバレがありますので、後書きを先に読む派の人は気をつけてください。



 まず『秋音フェロモン』と『平成シンク』です。平成シンクは前述の通り元の短編を改稿したものです。秋音フェロモンはその短編に含まれていた序章的な話を一つのエピソードとして拡張しました。


 これらはとある企画で、『平成』をテーマに書き上げたものなので、まあコンテストには出しづらいレベルのぶっ飛び具合の内容となっています。まあ連作短編の強みというか、平成シンクまでカットしても問題なく楽しめるとは思いますがね。


 『幻影パブロフ』と『秋音アサシン』ですが、これらは我ながら画期的なエピソードだと思っています。一応伝えておきますと、本作品で作者が最も推したいのは秋音です。そして、幻影パブロフではアニメ化を意識して執筆しました。コメントで映像化希望を書いてくれた方がいましたが、流石だなあと思いましたね(笑)


 それでアニメ化を意識した話ですが、つまりは水着回となります。この幻影パブロフでは作者が推したい秋音の水着姿を、至る所に散りばめることが出来ます。さらに中身は違うので、様々なタイプの秋音を見せることが出来るんですね。


 天才だと思いませんか(笑)


 秋音アサシンにも色々意図がありました。このエピソードは幻影パブロフの舞台裏の話になります。秋音と夏木は恋人ではないので、二人の恋人らしい絡みの描写は出来ない、という問題が本作にはあります。しかしこのエピソードでは、秋音は春野の立ち位置を手に入れるので、恋人らしい絡みの描写が可能になりました。疑似的なキスをさせたときは本当に天才でした。


 『春野シュレディンガー』から最終話までの構想が出来上がります。まあその前からぼんやりと決めていたんですが、このエピソードを考えたときから舵を切ります。このエピソードは後のエピソードにかなり深く関わってくるところです。がしかし、長くなるので割愛します。


 『秋音レゾナント・シャウト』は私のお気に入りのエピソードの一つです。というか複数話構成のエピソードは全部お気に入りなんですがね。


 いやしかし。夏木たちの学生生活の中で、これが一番ぶっ飛んでますよね。だって歴史書き換えちゃってるんですもん。しかも当時の冬人を現代に連れて来ちゃうし。良いんですか、そんなことやって。


 さらにさらに。本文でも書いてありますが、冬人が飛び出して夏木が死ぬのが正しい歴史となります。このタイムリープのサイクルの最初はその正しい歴史となります。だから秋音にタイムリープの素材を渡したのは、夏木じゃないパターンがあります。夏木が死に数年後、秋音が歴史を変えるためにタイムリープを発明し、当時の秋音にそれを渡し、歴史を変えさせる。それが最初です。闇が深いですねぇ。


 『閑話ヴァイオレット』は軽い気持ちで書いたのに、かなり良い感じに書き上がってしまったエピソードです。エピソードというか閑話なんですけど。


 この閑話は作者が生きる現実の世界で、作品のキャラが顕現するという話です。実は「秋音に伝言をお願いします」的なコメントを読者から頂いておりまして、それをこの設定を活かして叶えました。天才でしょうか。


 さらに敢えて最終回までの流れを大雑把に記しました。これを読んだ読者が、似たようなシチュエーションを見る度にハラハラさせる狙いです。狙い通りの反応をしてくれた読者がいて嬉しかったです。さようなら秋音というエピソード名を載せた時は、胸が躍りました笑


 『心霊ノーパンティ』は、全力でネタに走りたい、という私の趣味で書きました。モンロー橋のフラグ回収はとても気持ちよかったです笑


 『秋音デッド』はその心霊ノーパンティの設定を再利用できた、画期的なエピソードでした。時任亜美乃という、1エピソードのみの登場では勿体ない程の、濃厚なキャラを再度登場させることが出来たのも良かったです。なにより、ここで秋音が瀕死となり、閑話で記した最終話を匂わせ、閑話を読んだ読者をハラハラさせるという効果もありました。


 さて本作品はSF青春ラブコメディ。SF定番のネタを本作品らしくしたエピソードをいくつか入れました。『短小ダイナマイト』はTSF、『秋音レゾナント・シャウト』はタイムリープ、『女子高生クロス』は入れ替わり、『妄想テレパス』はテレパシー、『愛玩キメラ』はマッドサイエンティストでは定番のキメラ。


 サイエンスフィクションという字面の意味では、科学者である秋音が未来的な発明をするので間違ってはいないとは思います。しかし正直SF要素が弱いなあという印象はありました。上述のエピソードを書いている時は「よし、これでSFっぽくなる」みたいなことを思いながら書いていました笑


 『激昂ミラージュ』はいよいよ最終回目前。このエピソードは最終回までの準備と、平成シンクの時のような、狂気的な秋音を再登場させるという狙いがありました。というのもある時点を境に秋音は丸くなってしまい、狂気的な秋音を演出するのが難しかったのですが、この設定ならそれが可能になります。


 このエピソードは閑話で記した最終回を完全になぞり始め、関係が壊れたまま終わります。結構ハラハラさせることが出来たんじゃないでしょうか。



 各エピソードの所感は以上です。因みに作中で書かれたメタクッキーとか、ミルグラム実験とかモンティフォール問題とかは実在します。一日三食が身体に悪いだとか、油は食欲を暴走させる等の知識なども全て事実ですので、調べてみると面白いかも知れません。


 今後の予定ですが、現在カクヨムで公開中の『バブみでオギャれロリ先生!』という連載作品を、今度こそダラダラと書いていきます。案の定伸びていないので、予定通りダラダラ書けそうです(伸ばしてくれても良いのよ)。完全にギャグ一点張りの作品ですので、本作品のようなものを期待しない方が賢明です笑


 それは片手間にやるとして、本命の作品を集中して書いていこうと思います。仮名は『怪盗パンドラと名探偵シャロ~怪盗ゲームとラブコメディ~』


 ジャンルは学園ラブコメミステリーとなります。ミステリー部分に苦戦しており、もしかしたらただのラブコメになるかも知れません笑



 それでは最後に。


 皆さんの熱心な応援により、無事完結することが出来ました。


 本作品を最後まで読んで頂き、有り難う御座いました!


 また次の作品で会いましょう。

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マッドな科学で青春よ回れ! violet @violet_kk

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