きみは、私じゃダメですか?

餅たろう

プロローグ

「……香織!おい、香織!」


「…あ…慧ちゃん…いたいよ…すごく痛いよ…」


そう言って手を伸ばした香織の手を、俺は力いっぱい握った。


「ねぇ慧ちゃん…私、死ぬのかな…」


「馬鹿なこと言うな!すぐに助けが来るから!」


「ねぇ慧ちゃん…私ね…?慧ちゃんといれて…ほんどに…楽じがったんだよ…?」


「なに死にそうになってんだ!そんな言葉…後でいくらでも言い合えるだろ…!」


嗚咽を漏らしながら一つ一つ言葉を紡いでいく香織を、俺はただ歯を食いしばって見ていることしか出来なかった。


助けを呼んでからおよそ5分、ようやく救急車が到着した。



すぐに香織は病院へ搬送されたが、容態はかなり危険な状態だそうだ。

俺はただ香織の無事を祈るしかなかった。


くそ…なんで…どうしてこんな事になったんだよ…!

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きみは、私じゃダメですか? 餅たろう @Kcoco

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