恋愛を描く漫画などにありがちな定型を崩さず、敢えて初々しい恋愛を前面に描いた作品です。
ヒーロー、ヒロインの性格などの組み合わせに既視感のある人もいるでしょう。
とは言え、マンネリや新鮮味がないというわけではありません。
ただ当たり前にある日常の一瞬一瞬の煌めきをそっとカメラのシャッターで切り取り、それを作者の柔らかかつ優しい感性で丁寧に昇華しています。
普遍的であるが故に共感しやすい世界がひたすら描写されているのです。
そのため、読者が恋愛小説や青春物に期待する展開を味わうことができます。
今恋をしている人。
これから恋をする人。
全ての人にとって楽しめるお話だと思いました。