死にゆくものにこそ物語を。

この作者さんの他作品にひかれまして、本作品にたどり着いた次第です。

「異世界転生」というジャンルでは区切られた物語ではありましたが、本作品は転生した事実にはそれほど焦点が当てられていないと感じられました。

タイトルにも記されているように、この物語は、主人公(転生者)が古き魔王の時代、正義の勇者が魔王に苦心しながらも最後の最後で打ち勝つような、そんなアツく美しい物語を作り出すために魔王として世界に君臨するお話です。

主人公は「悪」を目指し、それを体現していきますが、その「悪」の中でも他者に対する、認めめられぬ「悪」が描かれています。

非道な殺生をせず、自分の信念を貫く魔王の姿、その魔王の姿に惚れ共についてゆくようになる仲間たち。コメディな部分もあり、そして芯はきちんと通るこの物語に惹かれました。

死にゆくものに慈しみの心が表れている部分に、ぜひこれからこの物語を読む皆さんに着目してほしいと思います。



現在更新されている最新話まで読まさせていただきましたが、とっても満足です。楽しい物語をありがとうございました。

これからも楽しみにしています。是非頑張ってください。

書籍化決定お聞きしました。おめでとうございます。