最終話 ヒトノスムマチ
「いってきまーす。」
「お気をつけて、ショー吉くんにも御飯を差し上げましょう」
【美禄へ
また家を留守にする。まぁもう僕は殆ど親が出来ていないけど。暫くは街に残るけど、やるべき事があってね。近いうちにまた顔を出してくれたら助かるよ、新しい博物館に。展示物はまだ少ないけど、動く恐竜が見れるよ。大迫力のティラノサウルスをね。学校はちゃんと行っているかい?
皆んないい子とは行かないと思うけど頑張ってね。あと言い忘れてたけど、夏と冬にある体育祭には出席しなくていいよ。積極的に休んでいこう。最後に妻鹿似くん、娘をいつも有難う。君は最早あの子の親だ、こんなことを言うと父親を放棄したみたいだね。御免
でも君には感謝している。これからも娘を宜しく。 狂三郎】
「これを某が読むのは違和感を感じますが、仕方ありませんね。美禄さんが頑なに読まないといって聞きませんからね」
人の住む、ツクモノの街カナモノ町。
一人住人が変わろうが、何も変わりは無い。逃亡犯は隠れるように逃げ続け警官はそれを追いかけ、神にならざるモノは現在を非難し未来を語る。逆も然りだ。住むモノは癖があろうと日常だ。人もモノも...
「私は買い物にでも参りましょうか」
そして大きな緑屋根の家に住まう人間の娘は今日も学校に行く。
「皆んなおは..」
「そこ、火を吹くな!首を延ばすな!
ギャルは今日も欠席か!
..人間、お前だけだなマトモな奴は」
「私..早退します。」「何っ!?」
彼女は未だにこの街に慣れていない。
完
TUKUMOGAMIーツクモガミー アリエッティ @56513
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます