それでも体は寿司を求める

いつでもどこでも寿司が買える、食べられなくなった寿司は残され捨てられる、海洋資源を求めて世界中の海を進む――そんな時代が、データや想い出の中にだけ残された、荒れ果てた遠い未来の物語。

例え心も景色も荒み、人々の腹も満たされない中でも、人々の頭の中には必ず「寿司」という存在があり、誰もがそれを大事に、そして愛おしく思い続ける時代。でも、その願いが実現出来るか否かは、運や実力、そして寿司屋そのものが決めるもの。そんな弱肉強食、いや弱寿司強食とも呼べる日々の中で、寿司屋を訪れた1人の男を待つのは……。

非日常の中に残る異様な『日常』を描いた、少し不思議な、そして少し切ないトアポカリプス作品です。