群雄が鎬を削り、ドラマの花咲かせては散らしてきた戦国時代。そこに生きる武将や他の者はどのような姿をし、どのように考え、どのように生きたのか? さまざまな角度から解かれる「戦国」の形!
こちらは数ある江戸知識ものではなく、家康公がまだ戦場で右往左往していた戦国時代の四方山話が書かれた作品となります。
それだけでも希少価値は高いのですが、注目していただきたいのは戦の合間の日常の様子であり、当時のスタンダードな風俗であり、人々の作法や所作なのです。
キャラクターへ命を吹き込むには、その世界における「当たり前」が不可欠。その当たり前が軽やかに描き出されているのは本当にありがたい! 戦国風の洗髪にチャレンジした著者さんの経験ネタや、軍馬についての細かな解説など、読み物としてのおもしろさも抜群です。
戦国とは武将ばかりで成るものならず。歴史にちょっと興味がある方、そして戦国ものを書かれようとされている方に強くオススメしたい一作です。
(「カクヨム公式レビューをねらえ!」Vol.01/文=髙橋 剛)