第2話突然何故僕だけに? 2

「だから、何こっち見てるんだよって!聞いてんの?」

彼女は俺に問いかけてくる。

「はぁ、まぁ、こんな事言ったって聞こえてないんだろうけど」

そんな事を言うと宙を泳ぐように俺の部屋を飛び始めた。

「結構いいとこ住んでるんだね、羨ましい、オラ!」

「痛ッ」

彼女は部屋を一周して勢いをつけて俺に突撃してきた。

軽いパンチだったが目の前で起きたことで頭が混乱して後ろに倒れこんだ。

「「え?」」

お互いに今起きている事に頭が追い付いてなく、何が起きたか理解するのに数秒かかった、そして。

「さ、さささささ、さわれる!?」

 彼女は目の前で起きた事をやっと理解?したらしく驚きながら部屋から飛び出していった、べッド付近の壁を貫通して。

「い、今のは・・・女の子の幽霊?」

 俺も目の前で起きた事を理解しようとしたが、あまりにも非現実的な事が起きたため理解しているのかすら分からない。

「俺は、疲れすぎて幻覚を見てたんだ、きっとそうだ、そうに違いない」

 そう言い聞かせて近くの精神科を調べ明日行くことを決意しベッドにつこうとしたその時。

「あ、あのー・・・」

 さっきの女の子が壁から上半身だけを出してきた。

「うわああああああああああああああ」

「ああ、お、驚かないでください!って言っても無理か・・・」

「悪霊ならお帰りください!まだやらなきゃ行けない仕事があるんです!お願いします!」

 俺は彼女に向かってベッドの上で土下座していた。

「いや、悪霊って、もう!」

 彼女は俺の胸倉を掴み顔を近づけてきた。

「はい、深呼吸!合して!スー、ハー、」

 彼女に合して深呼吸する。

「どう?落ち着いた?」

 彼女のおかげで落ち着きを取り戻し改めて自分の状況を確認すると、自分の顔のすぐ目の前に女の子の顔があるのだそれもよく見ればアイドルっと言われれば違和感なんかないくらい可愛い女の子が目の前にいるのだ、そして彼女も気づいたらしく顔を赤くして距離をとったそして。

「あの、聞きたいんですけど、私の声と姿が聞こえてるし見えてるんですよね?」

 真剣な顔をして聞いてきた。

「は、はい。しっかりと・・・」

 質問に返すと彼女は満面な笑顔になり。

「やっっっっっっったあああああああああああああああああああああ!!!」

と叫びながら壁を貫通したりと縦横無尽に飛び回った。

 時刻はそろそろ11時30分になるころで朝が早い人なら寝てる時間だ、そんな夜中にこんなに大きな声はまずいと思い彼女を呼び止める。

「あの!夜中なので静かに、静かに、お願いしたいんですけど・・・」

 すると彼女は俺に近づいてきた。

「大丈夫、たぶんあなた以外は声も私の姿も見たり聞いたりできないはずだから」

 そして空中を1回転して

「ねぇ!あなたを触らしてよ!」

 生まれて初めて女の子に触らしてと言われた。



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幻想少女と妄想男 @blueking

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