プロローグ〜秀亮side〜

僕は、いつも通り仕事に向かっていた。


僕は職場でいじめを受けている。毎日、偉そうで才能のない部長から嫌味を言われ、無能な後輩から馬鹿にされる。


実の家族も僕と縁を切っている。


しかし、僕はホストなどの副業をしているのに加え、彼女の佑美奈も私立の名門大学に通いながら、メイドカフェなどで働いてるので生活は安定している。


それに、僕にとって彼女が唯一の救いだ。


彼女は、僕が間違っていても正してくれるし、時には僕を傷つける奴らも正してくれる。


僕にとっては、彼女、そして彼女との住処マンションが癒しの場所だ。


僕と彼女は、共依存だ。


たとえ他の人間やつらが僕と彼女を邪魔しても、絶対に二人の愛は壊れないのだ。


僕はそう心の中で言いながら、今日も退屈な職場へ向かった。


案の定部長は、【よう、無能くん。ワレはなんで毎日俺のところに来るのか?うんざりやねん。俺は社長からオキニにされへんのに、ワレは社長にオキニにされて。恥ずかしくないのか?】と意味不明なことを言ってきた。


僕は社長にオキニにされてないし、むしろ、【俺らから嫌われても、毎日職場に行くその神経尊敬するわ】などと酷いことを言われる。


僕はそう言おうとしたが、ぐっと堪えた。


そして、後輩は僕にこう言ってきた。


【あんたみたいな無能の先輩、どの職場も欲しがらんとすよ。一生家で過ごしたらいいのに】と。


僕は、遂に怒りを堪えられなくなり、カミソリで首を切ろうとしたその時。


兵士がやってきた。


兵士は、スナイパーライフルで容赦なく部長や後輩などの職場の人間をやっつけた。


その中には、僕とは無関係な人も含まれていた。


僕は、こいつは殺人鬼だ。と確信し、とっさにトイレに隠れた。


幸い、僕は兵士に見つからず、兵士は上の社長と会長がいるエリアへ登った。


すると、社長と会長の断末魔が聞こえ、僕はスッキリした。


しかし、兵士は僕が〔ざまぁwww〕って言ってる声を聞いたのか、僕がいるトイレの所に来た。


鍵を閉めていたが、怪力により鍵を開けられ、僕は兵士に殺されると確信した。


そして、案の定、兵士は【死ね、】と言いながら僕をスナイパーライフルで撃った。


僕は、トイレで倒れ込んだ。


初めて心臓が止まる感覚を体感し、今まで1度しか泣いてこなかったのに、何故か涙が溢れた。


死ぬことくらいで泣くなんて、僕は弱い人間だ。


僕はそう思って、意識を失った。


〔暑い。〕僕はそう言いながら、目を覚ました。


そこには、戦場になっていた砂漠が広がっていた。


砂漠には彼女佑美奈もいた。


〔佑美奈… お前ここになぜいるんや?〕と僕が言うと、佑美奈は、<うちも死んだはずなのになんでかここにおるんやけど… なんでなんかいな?うちも分からへん。>と言い、佑美奈も不思議に思っていた。


周りを見渡すと、口から血が少し出ている女がいた。


女は腹に傷を負っており、あまりにもグロく、僕は舌打ちをした。


もう一人の女が自分に舌打ちをしたと勘違いしたのか、舌打ちし返した。


そして、女の隣にいる男が、(やめてください。ただじゃ置かないような状況なのに、なんで舌打ちをするんですか?)と言った。


まるで僕とあの女が悪いかのような物言いにイライラし、何か言おうとした時、見知らぬ妖精が言った。〈私は、あなたたちを回復させます。〉と…

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廃虚都市〜Humans die and are reborn again〜 白美人 @moeka_13_h

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