冰剣の魔術師が世界を統べる〜世界七大魔術師の少年は、魔術学院に入学する〜

作者 御子柴奈々

111

43人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

まず、僕は異世界ファンタジーは好きです。
この前提を踏まえ、以下はレビュー文体に切り替えます。


 異世界ファンタジー、特に異世界転生ものは既にブルーオーシャンではなく強者ひしめく群雄割拠の戦国の世であり、そこから頭一つ抜けることはとても難しい。それは、2019年現在でアニメ化作品の多くが異世界ファンタジー(転生)を取り扱っていることからもよくわかるだろう。

 いわゆる「俺つえええ」作品の醍醐味は、だいたいが冒頭部分にある。絶対的強者が理不尽な社会に飛び込み、強さで周りを圧倒していく。その爽快感がたまらない。だがしかし、あくまで個人的な感想だけれど、冒頭部分を消化し終えた異世界ファンタジーは、その鮮烈なファーストインパクトを引きずったままテンプレート的展開へ突入してしまう。自分を慕う仲間と共に困難に立ち向かう。物語の展開による面白さはあれど、最初に打ち上げた大玉花火程のインパクトはもう消えてしまっている。

では異世界ファンタジーにおいて面白さとはなんなのか?
それは『理由』だと結論する。

現代のファンタジーの名作が持っているものは、世界観の徹底的なまでの作り込みだ。『主人公が世界の誰よりも強く、圧倒的な魅力がある』その要素一つでも物語をけん引できる力は確かにある。だが前述の通り、その花火はいずれ散ってしまう。一発屋の芸人さんは爆発的な人気は得ても長生きできないのと同じ。生き残っていく為には最初に見せた芸より、さらに別の引き出しが必要になる。
魅力的な主人公をより輝かせるものより長生きさせるもの、それは主人公を越えた大きな力に他ならない。つまり、世界そのもののことだ。

多くの異世界ファンタジーものにとって、『キャラクター』は『世界』の上位にある。まずキャラが存在して、キャラの周りに絵が描かれている。
だから世界は全くキャラクターの為だけの都合のいいものとして存在し… 続きを読む

★★★ Excellent!!!


アーノルド学園は、貴族の血統が全てだ。

学園史上初の一般人による入学。噂が噂を巻き起こす中、一報は他者の目を曇らせた。

ーー枯れた魔術師、ウィザード。

裏の顔は、冰剣の魔術師。


軽蔑と疑惑、忌避と嫌悪に囲まれた中で我が道を進む彼。
その明るい······脳天気な性格は偽りの壁を超えた友情を築き上げていく。

本当の実力を知るが故に私たちは背徳感を覚え、同時に能天気さと天然のギャップが上手く描かれています。
時折はさむ追憶が適度なシリアスを醸し出していて、物語の進行がさらに引き立てられていました。

また、他の魔法・魔術とは一風変わったスタイルの魔術論を構築されているため、事テンプレにおいても普通とは違った会話が起こるため日常の会話すら面白かったです。

ぜひぜひ皆さんも読んでみてください!