第11話 宗田理「ぼくらの七日間戦争」
「ぼくら」シリーズの第一作、「ぼくらの七日間戦争」を書店の平棚で見た。漫画化・映画化されている。映画の方は、今月劇場公開された。
確かこの作品を初めて知ったのは、テレビで放送されていた映画からだった。その頃私は小学生で、小説を読んだのはそのもっと後だ。現在私は三十九歳、ぼくらの七日間戦争は時代を超えて愛されている作品だといえる。
内容は、大人に反抗する中学生のお話。登場人物は色々で、大人ももちろん登場する。小説が書かれた当時は「学生運動」の記憶がまだ新しく、中学生が立てこもるという内容が何だか不謹慎っぽく見えたのだけど、今となればもはやファンタジーのようにしか思われないのかなあ。現代っ子はそういう事、しなさそうだし。
先日、娘と話し合いをしました。何というか、抑圧に対する抗議です。私はどちらかというと子供の気持ちも分かるんですが、父親の言い分も理解はできる。しかし、何と言うのか……私自体が万年反抗期なので、困る。「ぼくらの七日間戦争」にも、ダメな大人が登場するんですが、ダメな大人は子供の味方をします。そういう感じです。
そういえば、映画「バック トゥー ザ フューチャー」にも出てきますよね、子供の味方をするダメな大人。主人公「マーティー」の親友、「ドク」ですが。ドクはタイムマシンを発明するんですが、ご近所さんからは変人と思われています。いじめに遭っていて友達がいないマーティーの、唯一の同性の友人。そしてドクの発明のせいで、マーティーは酷い目に遭うのです。
ダメな大人というのは、大人の世界では馬鹿にされ、子供と仲良くはしますが、子供では無いので結局、どこにも属さずに独自の動きをします。私は自分がそういうダメな大人になりかかっている現実を、子供の頃は予想だにしていませんでした。「歳を取ったら落ち着くだろう」と思っていたのです。社会に順応し、当然のように大人らしく振る舞うだろうと。
しかし大人になってみてどうなったか。未だに腹が立つのです、大人がやる汚いやり口に。だけど、無駄に長く生きているので分かってもいるのです。反抗したところで、どうしようも無いのだというのも。だけど、子供が無知ゆえに何か新しい事をし始めるとき、面白がる事の方が多いです。
しかしなあ娘よ。抑圧されていて悔しいならば、そういうものをぶっ壊すお話書いたらいいじゃないのかね。何なら殺しちゃってもいいんだよ、フィクションなのだし。そのくらいの自由はまだ、あると思いたいのだが。
適当中年と真面目っ子の読書感想文往復書簡 むらさき毒きのこ @666x666
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