5月21日

 もう私、玲奈ちゃんに言わせれば「くらーい」大学生だよ。しかも雨に打たれ風に吹かれて、ますます深刻。お母さんに貸してもらった傘を壊して、(中野の風は不可避) 自分が何やってんだかわかんなくなる。友達もいない悲しいランチタイムはたった30分、その半分は移動に使います。惨めなんていう言葉がふさわしいくらい、恋に破れかけての大学生。ああ井戸田潤、その口調で叫んで、「くらーーーーい」って…!!!


 暗い過去なんて背負ったことなかったので、これが暗いというものか、ふむふむ。と自分の中の他人が見てます。(これをミードはmeと呼びました) とてつもない孤独感はどこから来るのか、全くわからない。授業を受けてる時と本読んでる時と映画見てる時にその都度孤独じゃなくなる。それ以外は孤独。私おしゃべりだからさ、誰かと話せないなんて、そんなの人生の色を失うことに等しい。今まで生きてきてこんな時期なかったんです。私恵まれてたのかなぁ、うーん。失って初めて気付くってやつですね、だいぶ安っぽいけど。この暗さはいつか役立ってくれよ〜!って未来の自分に向けて圧をかけてみる。「私は大学生のときすっごく地味で暗かったんですが、そのおかげでこの作品があります」って言ってみたいな。TVの死後、ラジオで。(ラジオは死なない…!) 考えることばかりして頭だけ大きくして足は全く動かない。自分の世界にこもりきりで現実よりも過去のことばかり見てしまう。あれれこれは、社会不適合者の特徴ですか??? まぁしらん、しらんしらん。何がどうあれ、私がこんな暗く悶々としてることなんて人生史的には珍しいことだからサ、貴重なんじゃないって。他人が入ってこないナイスな時期に、いろいろまとめて考えちゃおうぜって、そう思うのです。負のエネルギーは創作に向けて解決させてしまえ。という芸術家の発想です。はいはい。時はすでに五月末、迫り来る六月はさらに雨が降る。この調子だと私の誕生日も雨が降りそうだ。でもそれって今の私にふさわしい。私は今、雨の女だ。雨が似合う暗い女。それでいいじゃん、そういう風に言ってみると自然にかっこよくなるから。暗い暗い暗い女ですよ、はいはい。

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桃尻娘〜現代編〜 @a_ngie

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